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井ノ原快彦の"論点ずらし"に拍手が起きる異様な会見…首尾よく終えたつもりの彼が残した"致命的な失言"

source : 提携メディア

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「子どもにルールを守っている大人の姿を見せたい」という井ノ原氏の呼びかけに拍手を始めた男性記者とおぼしき人物は、質疑応答が始まったときから、ジャニーズ事務所にとって鋭く突っ込む質問には「質問が長い」などと言い、望月記者や尾形氏が発言するたびに「ルールを守れよ」「手を挙げろ」と声を大きくしてヤジを飛ばしていた。

大手新聞で質問できたのはスクープをした日経のみ

「報道記者が井ノ原氏の制止に拍手をするなんて」という意見は、ネットでも見られるが、大手メディアの記者やジャーナリストが拍手していたわけではないと思う。

事務所発表によると、出席者は合計294人。ムービー73人(29社)、スチールカメラマン54人、ペン記者167人。おそらく有力メディアはほとんど参加していたと思われるが、新聞の全国紙で質問できたのは、日本経済新聞のみ。テレビの東京キー局6社からはTBSとフジテレビのみだった。スポーツ新聞では東京中日スポーツの記者が質問したが、ジャニーズ事務所と関係の深い日刊スポーツやスポーツニッポンの記者は、指名されなかった。

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映画やドラマの会見のような“出来レース感”があった

実はジャニーズ事務所が関わってきた映画やドラマの制作発表会見では、あらかじめ記者に「こういう質問をしてください」というリクエストをされることがある。筆者は事務所から言われたことはないが、テレビ局や映画製作会社の宣伝担当からキャスト全員に質問が行き渡るように依頼されたことがあり、質問そのものを書いた紙を渡されたこともあった。もちろん、その場合は、司会者に筆者の座る位置などが伝えられており、必ず指名されることになる。

そんな出来レースはエンタメにおいてもあってはならないのかもしれないが、今回は、この日、会見内容を事前にスクープした日経新聞の記者のみが全国紙の中で当てられるなど、絶対にあってはならない報道の現場で、それが起きているようにも感じた。