今年はドラゴンズの試合だけで30試合、球場に行きました。勝敗は14勝14敗2分でしたが、最後は8連勝したんです! でも、8連勝して勝率5割ということは、その前に8つ負けが多かったということなんですよね……(笑)。

 印象に残った試合はたくさんあります。一番印象深かったのは、巨人との開幕戦でした。小笠原慎之介投手の145球の熱投と、高橋周平選手の勝ち越しタイムリー! 正直、「今年はいけるのでは」と思いました。小笠原投手の「勝ちたい」という気持ちがすごく伝わってきて、より応援したくなりました。地元の先輩・周平選手と後輩・小笠原投手の絆もいいですよね!

 私は球場ではずっと双眼鏡を使ってドラゴンズのベンチを観察しているのですが、今年はブライト健太選手がすごく場を盛り上げているのが印象的でした。とにかく明るくて目立ちます。石橋康太選手もよく声を出していましたね。今年は若手がチームを率先して盛り上げてくれているのをすごく感じました。ブライト選手、石橋選手には、チームの主力になれるよう頑張ってほしいと思っています!

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 ベンチといえば、誰かがホームランを打つと、不調だったビシエド選手が満面の笑顔で出迎える姿も素敵でした。悔しさもあるはずなのに、チームとして喜んでいるんだなと思うと、ビシエドさんの人柄に多くの人が惹かれるのもよくわかります。守備は安心安全ですから、来季は完全復活したビシエド選手の活躍が見たいです!

筆者・廣岡まりあ

ノックのときに水を何本も持っていく後輩思いの福田さん

 心に響いたのは、ベテランの4選手、堂上直倫選手、福田永将選手、谷元圭介投手、大野奨太選手の引退試合です。

 私はナゴヤドームでベースボールメイツをしていた頃、福田選手がホームランを打ったときにドアラのぬいぐるみをたくさん渡しに行くことがありました。だから、勝手に「お兄ちゃんが引退しちゃった……!」ぐらいの気持ちになっています。ドアラのぬいぐるみをお渡しするときは、いつも丁寧に応対してくれて、みんな福田さんが大好きでした。

 福田選手についてよく覚えているのは、試合のときも練習のときも、守備位置に誰よりも早く走って向かっていたことです。しかも、ノックのときは守備位置に水を何本も持っていってました。「なぜ、あんなに持っていくんだろう?」と不思議に思っていたのですが、福田選手は自分と同じ守備位置でノックを受ける後輩の選手たちに水を配っていたのです。優しくて、頼もしくて、みんなを支えてくれる方なんです。

 来季からは打撃コーチに就任されますが、人柄がすごく素敵なので、きっと良い指導者になると思います。英智さんや中村武志さんも「福ちゃんは良い指導者になる」とおっしゃっていました! 今年、代打ホームランを打ったときは「まだまだいける!」と思っていたので、引退してしまったのは寂しさもありますが、次は指導者としてチームを支えてくれると期待しています。また、福田さんは競馬が大好きだとお聞きしました!(笑)  今、 JRAの公式リポーターをしているので、いつか一緒に競馬のお話をしてみたいです!

 堂上直倫選手もすごく優しい方でしたね。私たちに対して、いつも「ありがとうございます」と低姿勢で接してくれました。セレモニーの目録などを受け渡しするときも、試合前でお忙しいはずなのに、ちゃんとこちらの目を見て「すみません、お願いします」と丁寧におっしゃってくださるんです。直倫さんのことも、スタッフみんな大好きでした。堅実なプレーも素晴らしかったです。応援歌の「頼むぞ直倫」という言葉が本当に似合ってました。

 引退試合では、球団職員をされているお兄さんの堂上剛裕さんから花束を受け取るシーンでも感動しました。スピーチでお兄さんのことを話すときに言葉を詰まらせているのを見て、本当にお兄さんに憧れて、お兄さんのようになりたくて野球をやってきたんだなと感じましたし、そんな直倫さんを見つめている剛裕さんの表情を見ていると、私まで泣きそうになりました。

 福田さんと直倫さんはタイプが似ているような気がします。きっと来季はチームがより良い雰囲気になっていくんじゃないでしょうか。