定時制高校の科学部を舞台にした、伊与原新さんの青春小説『宙(そら)わたる教室』が、第70回「青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書【高等学校の部】(公益社団法人 全国学校図書館協議会・毎日新聞社主催)に選出されました。
著者の伊与原新さんからのコメントが届いています。
「この物語に登場する定時制高校科学部の部員たちは、年齢も、抱えた事情もさまざまです。そんな彼らの実験が、手づくりの装置が、いかにして『宇宙をわたる』のか。部員たちにそれぞれのタイミングで訪れた“夜の校舎の青春”にエールを送りつつ、楽しんでいただければ嬉しいです」
昨年の発売以来、「この本を読んでまた学びたいと思えるようになりました」(渋谷教育学園幕張高等学校・李雨佳さん)、「自分も何かを成し遂げたい、そんな勇気をくれる物語」(立命館慶祥高等学校・佐々木希さん)、「この本を読んで、『好き』を見つけたくなりました」(実践女子学園高等学校・齋藤果連さん)と、本作を読んだ全国の高校生から、熱い共感の声が続々と届けられてきました。
2024年夏、また新たな感動の輪が広がっていくにちがいありません!
【作品紹介】
東京・新宿にある都立高校の定時制。そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、学会で発表することを目標に、「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。『月まで三キロ』『八月の銀の雪』の著者がおくる、胸が熱くなる青春小説。
【著者プロフィール】
いよはら・しん/1972年、大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て2010年、『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞しデビュー。19年、『月まで三キロ』で新田次郎文学賞、静岡書店大賞を受賞。20年刊行の『八月の銀の雪』は直木三十五賞候補、山本周五郎賞候補となり、21年、本屋大賞で6位に入賞。近著に『オオルリ流星群』。
第70回青少年読書感想文全国コンクール応募要項
https://www.j-sla.or.jp/contest/youngr/70kansoubun-youkou.html