この訴えに対して宝島さんサイドは、
「原告側が故意に、境界線をはみ出して看板を設置したから元に戻すために移動させた」
「万が一発言していたとしても、以前から、原告側の従業員が被告側の店に入店しようとする客に対して『その店で出しているのはゴミですよ』『皿洗ってないですよ』等の悪評を発言することが多々あり、それに対抗すべく行ったものに過ぎない」
などと反論。さらに裁判記録によると、オープン当初から「原告は被告らを敵対視していた」と主張するなど、近隣との深い溝をうかがわせていた。
さらにこの裁判を機に、この2店舗の関係は単なるライバル関係を大きく逸脱して泥沼にはまっていく。この訴訟が提起された後、宝島さんサイドは、ライバル店のオーナーらを被告とする損害賠償請求事件を立て続けに3件も起こし反撃に出ていたのである。
出頭した20代の男性は「トラブルがあった」
例えば、昨年11月に宝島さんらが起こした裁判の内容は、同年3月の夜に当事者間で起きた暴行沙汰について、さかのぼって損害賠償請求するものだった。
訴状によると宝島さんサイドの主張は概ねこうだ。
「店舗間のトラブルについて協議するため、相手側の店でオーナーを待っていたところ、オーナーが到着するなり突如、顔面や後頭部、首等を一方的に複数回にわたって殴る等の暴行に及んだ」
それに対してライバル店側は、
「原告(宝島さんの妻)が、自ら営業妨害行為を行ってきた立場であるにもかかわらず謝罪をするどころか被告の腹部を傘で力強く突き刺すといった暴行を行い、中国語や韓国語で、『おろか者』『浮気者』『馬鹿野郎』『クズ』『犬以下のクズ』『死ね』といった暴言を吐き続けていた」
このトラブルでは実際に警察も対応する騒ぎになったという。
栃木県警は亡くなった宝島さんがこうした摩擦を複数抱えていたことを把握している。また、捜査関係者によると17日に出頭した20代の男性も「飲食店関係で宝島さんとトラブルがあった」という旨の話をしているという。
県警は宝島さんらを巡る周辺状況を慎重に調べている。
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