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「夫の遺産の残りをあげたい」とロマンス詐欺で3億円を詐取 ナイジェリア人犯罪グループの“凶悪な伝統芸”とは

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 国境を越えた求愛の正体は単なる詐欺行為に過ぎなかった。警視庁暴力団対策課は20日、SNSで知り合った男性から現金をだまし取ったなどとして、詐欺などの疑いで神奈川県在住のナイジェリア国籍オージー・フランシス・アフィポ容疑者(61)を逮捕した。

「アフィポ容疑者は国際ロマンス詐欺集団の主犯格とみられています。グループは海外在住の日本人女性を装って国内の男女に接触し、20人以上から計3億7000万円余りをだまし取っていたとみられます」(警視庁担当記者)

オージー・フランシス・アフィポ容疑者(NHK NEWS WEBより)

「夫の遺産の残りをあげたい」と連絡して600万円を…

 グループが利用していたのはFacebook。だまされた一人の、当時67歳だった男性の場合、グループがなりすました女性は男性と関係が進展していくと、「夫の遺産の残りをあげたい」などと連絡しはじめ、遺産を受け取るための手数料などの名目で約600万円をだまし取ったという。

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「本来、外国人グループによる犯罪は国際犯罪対策課が担いますが、暴対課は一昨年、この事件でだまし取った現金を引き出した疑いで指定暴力団住吉会系と指定暴力団山口組系の組員を逮捕しており、その突き上げ捜査でアフィポ容疑者が浮上しました」(同前)

 国内の男性が突然、海外在住の日本人女性から恋愛感情を寄せられるとは、一見、荒唐無稽な話だが、被害額はうなぎ登りに増えているのが実情だ。