大型詐欺組織のトップがなぜナイジェリア人なのか
警察庁の統計では昨年1年間におけるSNSなどを使った国際ロマンス詐欺の被害は1575件、被害総額は177億円。男性で被害が多いのは50〜60代で、SNSの高齢層への浸透が詐欺行為も拡大させているかっこうだ。
警察庁によれば、今年に入ってから被害はさらに加速、4月までの被害総額はすでに84億円にまで積み上がっているという。
「ナイジェリア人の犯罪グループにとって詐欺は伝統芸」
捜査関係者は「ナイジェリア人の犯罪グループは日本でオレオレ詐欺が流行り始める前から、メールなどを他人に送って現金を送らせる詐欺を組織的にやっていた。詐欺はもはや伝統芸。会社の取引を装う詐欺も多かった。SNSが高齢者に普及したおかげでこうしたロマンス詐欺にも進出してきたのだろう」と明かす。
米国務省も20年以上前から「ナイジェリア前金詐欺」なる項目を設け、ナイジェリアに渡航する際の注意喚起を行っている。
「ナイジェリア人の犯罪グループは各国に協力者がいて詐取金のマネーロンダリング(資金洗浄)にも長けている。今回の捜査でカネの国際的な流れをどこまで掴めるか注目したい」(警察関係者)
実はグローバル化が最も進んでいるのは詐欺の世界なのかもしれない。
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