ここ数年、大きな自然災害が全国的に多発している。今年1月1日の能登半島地震は記憶に新しいが、他にも大雨、土砂災害など、日本全国いつどこで被災するかわからない……。

 災害のニュースで最近よく耳にするのが「車中避難」というワードだ。地域の体育館や公民館に設置される避難所に入らず、安全な駐車スペースに停めた車の中で避難生活をすることを指す。避難所に比べプライバシーが守られると同時に、周囲の人へ気を使う頻度も少なくて済むことから、乳幼児を持つ世帯や高齢世帯などからも注目されているようだ。

 一方で、車中避難者が体調を崩し救急搬送されるケースも少なくない。車の中の狭い空間で過ごすことはリスクも伴うのだ。また、身の回りのすべてを車内に収容できる道具で賄う必要があることも、体調をキープするのが難しい要因の一つだろう。

 では実際に、子どもや高齢者がいる家庭でも、安全で快適な車中避難は実現可能なのか? もしもの場合に備え、“車中避難訓練”として一日を過ごし、確かめてみることにした。

季節は夏…自宅は損壊したが、避難所にもいられない

 今回の訓練では私と妻、そして生後6ヶ月の子どもの3人で避難することを想定した。季節は夏。正午ちょうどに大地震が発生し、電気やガスなどのライフラインが途絶。家屋は倒壊を免れたが、壁には亀裂が入り、余震が続く中で家の中にいるのは危険な状況だ。

 揺れが収まるのを待ち、家族3人で避難所に指定されている近くの市民体育館を訪れると、中は地域の人たちで混雑していた。突然の状況変化で赤ん坊は泣き続け、体育館内で落ち着くのは困難と判断。我々家族は自家用車の中で、数日間の避難生活を送ることを選択した。

 まずは電力源としてポータブル電源を用意する。普段から使っているモバイルバッテリーで良いと思う人も多いかもしれないが、モバイルバッテリーはスマホやパソコンの充電を目的としたもの。対してポータブル電源は1台あれば、電子端末の充電はもちろん、家電製品を動かすこともできるのが魅力だ。

 今回使用したJackeryの最新モデル「Jackery ポータブル電源 1000 New」は、大容量1000Whクラスのポータブル電源の中では抜群に軽量かつコンパクトな設計で、緊急時にも素早く設置作業が可能。リン酸鉄リチウムイオン電池を使用しているため長寿命かつ自然放電が少ない設計で、事前に予測して充電しておけない災害時にも、満充電に近い状態から使えるので安心だ。避難生活という非日常の空間で、鮮やかなオレンジのボディがとても頼もしく感じられる。

Jackery ポータブル電源 1000 New
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14時

 最初に接続したのは、寝室で使っていた消費電力40Wの小型冷蔵庫だ。夏日のもとで庫内の貴重な食料が腐ってしまわないよう、停電で止まった台所の大型冷蔵庫から生鮮食品や牛乳、水などを移動し、経口補水液も冷やしておいた。

 せっかくなので冷凍スペースで氷も作っておく。避難生活が続けば、どのようなトラブルがあるかわからない。火傷や熱中症対策で、冷たい保冷剤や氷が役立つときがあるかもしれない。

十分な電力が供給されているので、氷も問題なく作製できた
十分な電力が供給されているので、氷も問題なく作製できた

 食材と水の確保ができたところで腹が減ってきた。お昼ごはんは手軽にカップラーメンにしよう。傾いた家の台所から持ち出した電気ポットに水を入れてポータブル電源につなぐと、正面パネルの数字が一気に900W以上まで跳ね上がる。

 さすがに消費電力が大きい。しかし最新の「ポータブル電源 1000 New」の定格出力は1500W! 電気ポットと冷蔵庫ぐらいなら併用しても余裕綽々だ。あっという間にお湯が沸き、二人分のカップラーメンと子どものミルクを作ることに成功した。被災地では安全な水を豊富に確保できるとは限らない。ポータブル電源があることで、確実に煮沸したお湯が手に入るのは、乳幼児を育てる世帯にとって非常にありがたい。

16時

 お腹も膨れて気持ちが一段落したところで、次にポータブル電源につなげたのは、充電式ラジオとノートパソコン、そしてスマホだ。災害時に情報収集できるアイテムは必要不可欠。いつでも最新の情報をキャッチできるよう、各アイテムはすべて満充電にしておきたい。

何事もスマホやパソコンで事足りると思われがちな時代だが、携帯電話の基地局が被災すればネットに繋がらない可能性も考えられるため、ラジオやテレビはまだまだ必須
何事もスマホやパソコンで事足りると思われがちな時代だが、携帯電話の基地局が被災すればネットに繋がらない可能性も考えられるため、ラジオやテレビはまだまだ必須

 さて次にひと仕事。翌日以降の復旧活動のために、強力な電動工具を用意しておこうと思う。倒壊した家屋の撤去や、崩落した道路の復旧などの大きな工事は無理でも、壊れた家具の解体や、開かなくなったドアの応急処置など、被災後に自分自身でやれることは意外に多い場合もある。ガレージに長期間置きっ放しだった充電式のノコギリや電動ドライバーは、案の定バッテリーが空になっていた。翌日からの作業に備え、ポータブル電源に接続して、しっかり充電しておく。

18時

 なんやかんや慣れない作業をしているうちに、周囲は暗くなってきた。LEDランプをポータブル電源につなげて灯りを確保し、夕食の準備を始める。自宅の台所から持ち出せた調理器具は、電子レンジと卓上IHヒーター、そして炊飯器。どれも消費電力の大きな電化製品ばかりだ。同時使用できるアイテムを考えながら調理計画を立てるとしよう。

 まずは消費電力1000Wの電子レンジで、冷凍コロッケを温める。夏の炎天下、台所の大型冷蔵庫に残っている中で一番早くダメになるのが冷凍食品。避難生活で電子レンジが使えると、そんな冷凍食品を有効的に使える。ちなみに電子レンジの消費電力は、温めるときに選ぶ「ワット数」のおよそ2倍だと覚えておくと良い。例えば「温めスイッチ600ワット」で電子レンジを使うと、消費電力は約1200Wになる計算だ。

 続いて炊飯器で米を炊こう。炊飯器は大きさやタイプによって消費電力が大きく変わる。小型一人用やIHでないタイプの炊飯器なら比較的少ない電力で使えるが、普段多くの家庭で使われている5合炊きクラスのIH炊飯器ではおよそ1200Wが必要になる。「ポータブル電源 1000 New」の瞬間出力は最大3000Wあるものの、他の家電製品との併用には注意したい。

 炊飯器が保温モードに変わるのを確認し、卓上IHヒーターでお味噌汁を作った。コロッケと合わせて一汁一菜の温かい夕ご飯。避難中の食事には十分な豪華さだ。また電子レンジが使えると、離乳食の温めができるのも乳幼児がいる世帯にはありがたい。

温かいご飯が食べられるだけで、心の落ち着きは違ってくるもの
温かいご飯が食べられるだけで、心の落ち着きは違ってくるもの

20時

 夕食でしっかりとエネルギーを摂取したら、体力回復のため早めに就寝。フルフラットになるミニバン車内に布団を敷いて、家族3人の寝床を作る。

 ここで注意したいのが、車内温度のチェックだ。特に子どもや高齢者は、熱中症や低体温症といった健康被害が命に関わることもある。しかし、車のエンジンを切った状態では、エアコンを長時間使用することはできない。

Jackery ポータブル電源 1000 New
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車中避難の鬼門、“体調管理”にもポータブル電源が大活躍

 ではエンジンをかけ続ければ良いのかといえば、それもおすすめはできない。周囲に他の避難家族がいる場合、夜間にエンジンをかけっぱなしにするのは非常に迷惑だし、緊急で車の移動が必要な状況になったときに備えてガソリンの残量は確保しておきたいところ。また、瓦礫の残る災害時の駐車場では、何らかの要因でマフラーが塞がれて車内に排気ガスが入り込み、一酸化炭素中毒になるという危険性もある。

 それでは車内の室温をどう調整すれば良いのか? ここで活用したいのが、夏ならポータブルクーラー、冬場であれば電気毛布やセラミックヒーターだ。ミニバン車内で一晩中快適に使えるようなポータブルクーラーやセラミックヒーターは、大出力の100V電源が必要なタイプばかりだが、高出力のポータブル電源があれば車内でも使えるのだ! 

実際の被災時に楽しんでいる余裕はないかもしれないが、今回はゲーム機も使用してみた。未就学児や小学生のいる家庭にとっては、娯楽が利用できるのもメリットになりそうだ
実際の被災時に楽しんでいる余裕はないかもしれないが、今回はゲーム機も使用してみた。未就学児や小学生のいる家庭にとっては、娯楽が利用できるのもメリットになりそうだ

翌朝

 クーラーで快適な温度を保ったまま迎えた翌朝。就寝前の時点で40%弱だった「ポータブル電源1000 New」のバッテリー残量は約20%になっていた。今回は試験ということで、バッテリー残量を気にせず大きな電化製品も躊躇なく使ってみたが、それでも家族3人で丸一日は大丈夫な感触を得た。

 実際に罹災した場合は、加熱の必要がない食材も食べるし、携帯ガスコンロも併用し、より電力を節約しつつ使うだろう。そうやってポータブル電源をうまく活用すれば、発災後2〜3日の間は暮らせるはず。実際に東日本大震災時には、発生から3日間で80%の地域の停電が解消された。

 もし周囲の停電が一時的に解消されれば、Jackery専用アプリを使ってわずか1時間で満充電にできる緊急充電モードを選択し、一気に充電することもできる。個人で災害に備えて確保する電源として、「ポータブル電源1000 New」は十分な力を持っているといえそうだ。

Jackery ポータブル電源 1000 New
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 さらにJackeryのポータブル電源には、ポータブルソーラーパネルも用意されている。折り畳まれたソーラーパネルを広げ「ポータブル電源1000 New」に接続すると、晴れた日なら最短3時間で本体バッテリーが満充電に。たとえ避難生活が長引いたとしても太陽光さえあれば給電できるので、電力の心配は必要なくなると言えるだろう。旧来モデルから新しく追加されたパススルー機能により、ポータブル電源に充電しながら電化製品に給電ができるのも嬉しい。

停電が発生した際に即座にポータブル電源からの給電へ切り替えるUPS機能を搭載しているため、電気が止まると困る冷蔵庫などに普段から繋いでおく使い方も良さそうだ
停電が発生した際に即座にポータブル電源からの給電へ切り替えるUPS機能を搭載しているため、電気が止まると困る冷蔵庫などに普段から繋いでおく使い方も良さそうだ

 避難生活では、少しでも日常の暮らしに近い環境で過ごすことが、心と体を健康に保つために重要だという。炊き立ての白いご飯や温かい味噌汁、適温に保たれた寝床を用意するために必要な電力が得られるかどうかが、家族全員の安全に直結するのだ。 

 今回は子育て世帯を想定して避難訓練を行なってみたが、高齢者であればポータブル電源を活用しながら車中避難するという選択によって、我が家のそばを離れずに暮らせる安心感も、精神的な負担を減らすことにつながるはず。今やポータブル電源は“もしもの日”のための必需品といえるのかもしれない。

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Jackery ポータブル電源 1000 New

定価139,800円(税込)


コード名:PR1000NEWBS

割引率:2%(セールと併用可能)
使用期間:2024年8月31日(土)まで
使用店舗:公式オンラインストア、Amazon店

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能登地震での支援事例でも、ポータブル電源が大活躍

 2024年元日の能登半島地震に際し、Jackeryは輪島市、珠洲市、能登町、穴水町の4つの地域を中心にポータブル電源やソーラーパネルを計260台(2400万円相当)提供。スマートフォン等の充電のほか、炊き出しやStarlink(衛星通信サービス)の設置を支援しました。

炊き出しは通常大掛かりな設備が必要となるが、ポータブル電源の活用によって必要機材が減り、小規模な炊き出しを手軽に行なうことができるように。食洗機を使用した事例では節水、省力化を実現
炊き出しは通常大掛かりな設備が必要となるが、ポータブル電源の活用によって必要機材が減り、小規模な炊き出しを手軽に行なうことができるように。食洗機を使用した事例では節水、省力化を実現
ポータブル電源から電力を供給してStarlinkを設置したことで、1週間ぶりに電波がつながったという被災者も
ポータブル電源から電力を供給してStarlinkを設置したことで、1週間ぶりに電波がつながったという被災者も

INFORMATION

◆スペック
Jackery ポータブル電源 1000 New
容量:1070Wh
サイズ:約327x224x247㎜
重量:約10.8kg
AC入力:100-120V~60Hz、最大15A
AC出力:3ポート合計1500W(瞬間最大3000W)
AC充電時間:1.7時間(緊急充電1時間)
ソーラー充電時間:3時間(ソーラーパネル400W)

◆問い合わせ:株式会社Jackery Japan 
公式サイト:https://www.jackery.jp
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