日本海から東北地方に延びる梅雨前線の影響で、秋田、山形両県では２５日、記録的な大雨となった。気象庁は午後１時５分に山形県酒田市と遊佐町に大雨特別警報を発表し、同８時１０分に警報に切り替えた。しかし、深夜に雨が激しくなり、午後１１時４０分に同県の６市町村に再び大雨特別警報を発表した。６市町村は酒田市と新庄市、庄内町、舟形町、鮭川村、戸沢村。
両県では河川の氾濫や浸水被害が相次ぎ、同庁は土砂災害とともに厳重に警戒するよう呼び掛けた。前線は２６日も停滞し、前線上の低気圧が東北を通過する見込み。気象庁の杉本悟史予報課長は記者会見で「引き続き身の安全を確保してほしい」と話した。
酒田市では午前９時３５分ごろまでの１時間に８６．０ミリの猛烈な雨が降り、観測史上最多記録となった。同市内の別の観測点では午後４時半までの２４時間雨量が３２７．０ミリに上った。山形県では午後１時すぎと同１０時４５分すぎに、発達した雨雲が連なる線状降水帯が発生した。
一方、秋田県では由利本荘市で午後２時半までの２４時間雨量が観測史上最多の２３８．５ミリとなり、夜には県内で１時間雨量が１００ミリ以上になったとの記録的短時間大雨情報が相次いで出された。
国土交通省によると、由利本荘市を流れる石沢川や子吉川、酒田市の日向川が氾濫した。秋田県湯沢市では工事現場で土砂崩れが発生し、６０代の男性作業員が行方不明となった。酒田市と遊佐町、新庄市、戸沢村、由利本荘市では５段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が発令された。
東北の２６日午後９時までの２４時間予想雨量は多い所で、日本海側１５０ミリ、太平洋側１００ミリ。
