2024年上半期(1月~6月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。マネー部門の第1位は、こちら!(初公開日 2024/05/29)。

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 たとえ不便を強いられようとも、「オンリーワン」を追い求めてしまう者たちがいる。異端であることを宿命づけられた、熱き“車マニア”たちの素顔とは?

 今回は、ハイエースのカスタムに驚きの費用をかける草本さんをご紹介。

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普段はトラックドライバーをしているという草本さん

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使わない後部座席を「イベント展示」のためだけに改造

 この車を買ってから、もう14年くらいかな。前からちょいちょい弄ってはいたんやけど、塗装と内装をガラッと替えたのはここ2年くらい。自分のなかにハイエースの理想みたいなんがずっとあって、最後のポイントがそのふたつやったんです。

フルエアロで固めた深紅のボディが存在感を放つ

 もともとここまで弄るつもりはなかったけ、最初は新車で一番いいグレードのやつを買ったんやけど。結局、いい内装も全部替えちゃったけ、そんなら最初から安いのでよかったやないかっていう。

 後席にでっかいモニター載せて、シートもベッドみたいになるんやけど、どのみち1人でしか乗らんけ、ただ弄って見せるだけの大人のオモチャやね。

オットマンつきの分厚いリクライニングシート

 足用には別にタントがあるけ、こっちを動かすんは週末のイベントくらい。内装を替えてからは一度も後ろに乗せとらんもん。自分でも使わんね、内装が白やけ、なんぼ気にしとっても手垢とか付くやないですか。もう完全に、イベントで見てもらうためだけの設備やね。

 今までかけた額は……もうわからん。1000万円じゃきかんね、たぶん、家が建つくらいやないですか。14年乗っとるうち、積もり積もってどのくらいになっとるんか……もう、気にしたら怖いけ。そんなかけるんやったら、もっと優雅な生活できとった、とかね。

ベンチシートは簡易的なベッドにもなるという

 普段はトラックのドライバーやってます。もう25年くらいになるのかなぁ。長距離は慣れとるけ、今回も九州の方から12時間かけてイベントまで来て。ほかにもいろんなとこに行くけど、やっぱしトラックの方がシートとかは楽やね。

 最近は法律が変わって、2024年問題とかいいますけど、やっぱ無理があると思いますよ。結局、稼げんと誰もやりたがらんけ、余計減るんやないですか。仲間うちでも、「自分が若手やったらせんよね」みたいな。昔はもう、労働時間が長いかわりに、頑張れば金になるっちゅう世界やったけぇね。

購入当初はここまで弄るとは考えもしなかったとのこと

 仕事もそうやけど、この車もあとどれだけ乗れるかね。ずっと乗ってて、いつ壊れるかわからんもん。まぁ、できるだけ長く、ダラダラ乗っていけたらいいかなぁ。

2024年上半期 読まれた記事「マネー部門」結果一覧

1位:「たぶん家が建つくらい」の費用をかけたハイエースカスタムも「誰も乗せたことがない」…いったいなぜ?
https://bunshun.jp/articles/-/72618

2位:コンビニなら3000円台なのに…なぜ、2万円超の無地スウェットが売れるのか?
https://bunshun.jp/articles/-/72617

3位:上場企業の部長を辞めて、93万円の軽自動車で車中泊生活…30代の“ハイスぺ夫婦”が年収も地位も捨てて“車で暮らし始めた”ワケ
https://bunshun.jp/articles/-/72616

4位:81歳の父親が出会い系アプリに300万円課金、さらなる悪夢が…困惑する息子が気づいた「ある異変」
https://bunshun.jp/articles/-/72615

5位:20代で世田谷の“2億円豪邸”購入→仕事激減→借金1億を背負い40代で“バイト生活”…俳優・野村宏伸(59)が語る、紆余曲折の芸能人生
https://bunshun.jp/articles/-/72613