たとえ不便を強いられようとも、「オンリーワン」を追い求めてしまう者たちがいる。異端であることを宿命づけられた、熱き“車マニア”たちの素顔とは?
今回は、交際相手に反対されながらもバニング仕様のハイエースに乗る齋藤さんをご紹介。
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通勤も買い物もすべてバニング、それでも不便は一切ナシ
昔から自動車全般が好きで、免許を取ってからはあまりジャンルにとらわれず、いろんな車種を乗り継いできました。はじめて買ったのはアルトワークスでしたが、それからセダンにも手を出したり。これの前には30のセルシオに乗っていましたね。
こういうバニングにも、かなり前から興味はあったんですよ。中学生くらいの頃かな、YouTubeではじめて見たときのインパクトが大きくて。「いつかはこういうのにも乗ってみたいな」と思っていたんです。
これまで金銭的になかなか手を出せずにいたのですが、知り合いが「5年動かしてないバニングがあるよ」と見つけてきてくれて。当初はまともにエンジンもかけられない状態でしたが、そのぶん安くしてもらえるというので、すぐに購入を決めました。なによりこの形が気に入ったんですよね。
納車前の整備がかなり大変だったので、はじめて乗ったときには感慨深いものがありましたね。「やっと乗れたな……」と、ある種の達成感みたいな。
こんな見た目ですけど、運転していて不便に感じることはないですね。ぼく自身、普段から仕事でトラックに乗っているもので、このくらいのサイズはむしろ小さいくらいで。
ちゃんと公認も取っていますし、車高もさほど落としていないので、もうこの1台で通勤から買い物まで済ませています。会社も通勤車両については自由で、普通に駐車場に置かせてくれますし。仲間とのバーベキューなんかでも使いやすいですし、自分にとっては「どこにでも行ける便利な車」という感じですね。
ただ正直、彼女からの評価は……「中はイイけど、外はちょっと」と引かれてしまっています。しかも、最近また別のバニングを契約しちゃったんですよね。この車はオートマなんですけど、本当はマニュアルが欲しくて。ついこの間、いいタマが見つかり、黙ったまま契約しちゃいました。
さすがにかなり怒られて、「なんで黙って買っちゃうの」とか「そもそも車買いすぎ」とか。せっかく見つけた車なので、2台とも維持していきたいですけど、彼女の理解はまだまだ得られそうにないですね。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。