たとえ不便を強いられようとも、「オンリーワン」を追い求めてしまう者たちがいる。異端であることを宿命づけられた、熱き“車マニア”たちの素顔とは?

 今回は、夫婦そろってセダンのカスタムを楽しむ高岡さんをご紹介。

兵庫県姫路市でカスタムショップを経営する高岡さん

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「VIP乗りの妻」とクルマ熱を高めあう

 昔からVIP系のセダンに憧れがあって、中高生くらいの頃には『VIPスタイル』なんかの雑誌をよく読んでいました。高3で野球部を引退してすぐ、現場系のバイトでひたすら日当を稼ぎ、免許と車体のお金を貯めて。はじめて買ったのは18系のクラウンでしたね。

カスタムショップのデモカー兼愛車という位置づけのセンチュリー

 高校を出てからは車の中古部品などを扱うショップに就職したのですが、19歳の頃に子どもができたこともあり、車を弄るお金まではなかなか確保できずにいたんです。

 それで、「いっそ自分で車屋をやってみればいいのでは」と思い、2年前に「ガレージマイライフ」というショップを立ち上げたんですよ。姫路でカスタムをメインにしながら、一般的な車両販売や車検整備なんかも扱っています。

リアビューからは近寄ってはいけないオーラが立ちこめている

 このセンチュリーはショップのデモカー兼、自分の愛車という感じです。まぁ実際には展示用なので、移動はいつも積載車で、普段の足はプリウスなんですけどね。

 センチュリーって、日本を代表する高級車ですけど、VIP系のカスタムはあまり多くないんですよ。自分が「こうしたい」と思えるような車両を見たことがなかったので、それなら自分で作ってみようと。

時を経てなお高級感を失わないインテリア

 ちょうど今年になって仕上がったところで、2月の大阪オートメッセでお披露目して。やっぱりイベントを通じてショップのことを知ってもらえることも多いので、今はいろんなところに出して回っているところなんです。

 実は妻もVIP系の車に乗っていて、これまでは妻のマークXをショップの看板車としてイベントに出していましたね。カスタムカー界隈だとやっぱり女性の影響力が強いようで、「あのマークXに憧れて……」と連絡してくるお客さんも結構いるんですよ。

シフトパネルの木目も美しい

 そもそもの出会いも車つながりで、最初は独立前に勤めていたショップのお客さんだったんです。実は地元が同じだったなんてこともあり、車の話でも盛り上がっていって。今でも夫婦でカスタム熱を高めあっているような関係ですね。

子どもたちは両親の影響もあり車好きに育っているという

 子どもは今5歳と4歳になりますが、案の定というか、車は大好きですね。YouTubeでイベントの車両搬入シーンなんかを延々と見ています。まだ小さいのでイベントへの遠征は難しいですけど、そのうち家族で参加するのが楽しみですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。