たとえ不便を強いられようとも、「オンリーワン」を追い求めてしまう者たちがいる。異端であることを宿命づけられた、熱き“車マニア”たちの素顔とは?

 今回は、通勤用のタントをイベント専用車にしてしまった「オームタント」さんをご紹介。

普段は物流関係の仕事をしているという

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「ほかの車を買っていれば」という後悔は一切ナシ

 自分が小さい頃はラジコンやミニ四駆が流行っていて、自然と自分も部品を組み立てたり動かしたりするのに熱中していましたね。そのせいかずっと車が好きで、免許を取ってからはY32のグロリアを買って、少し弄ったりもしていました。

渋みのある深い色合いに仕上げられたタントカスタム

 でも、ここまでガッツリ仕上げたのはこのタントがはじめてですね。もともとは通勤用の車として買ったんですけど、乗っているうちに「ここはこうした方が……」というのが出てきちゃうんですよ。

 最初は少しのつもりだったんですが、弄っていくうちに通勤用としてはかなり不便な車になってしまって。これじゃ何のために買ったのかわからないな、と。

純正にはないブラウン系のボディカラーがオリジナリティを主張

 ちょうどその頃、友達から「どうせならイベントに出してみれば」と誘われ、それがひとつの転機になりましたね。いざ出してみると、自分なんかはまだまだで、「周りの車みたいに弄りたい」と火がついちゃったんですよ。

 それでもう、いっそのことこの車はイベント専用車にして、好きに弄ってやろうと。足用に新しくフィットを買って、こっちの方は普段は家の庭で、カバーをかけて保管しています。車体を含めると500万円くらいかかっていますし、どこかでイタズラされるのもイヤですしね。

内装にはまだあまり手をつけておらず、純正の部分が多く残されている

 軽のタントをこれだけ弄るのは、世間的には変に見られるかもしれませんけど……。自分としてはもう、「ほかにお金をかけるくらいなら、全部この車に注ぎ込みたい」と思ってしまいますね。やっぱり弄ってきた分だけ愛着があるので、「ほかの車を買っていれば」なんてことは考えないですよ。

 若い頃の仲間は結婚や子育てでファミリーカーに乗るようになった人も多くて、今でも車弄りを続けているのは自分くらいのものですけど、これはこれで楽しいですよ。イベントを回っているなかで、毎回新しいつながりもできますし、周りの車を見て「こういうこともできるのか」と刺激をもらえますしね。

今ではもっぱらイベント用の車になり、普段は家で大事に保管している

 まだこの車の内装にはあまり手を入れられていませんし、ほかにもやりたいカスタムがたくさんありますから、これからも愛情とお金を注いでいきたいですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。