――ちんちんスリスリされてるってわかって、あなたはどうしましたか?
「怖いと思って、ちょっと前に逃げようとしたけど『ちょっとちょっと』みたいなことをあいつが言って、馬座りに戻されました。腰を掴んで、前に行っていたときに、なんか腰を掴んで後ろに引いた、みたいな。馬座りに戻した、みたいな」
A子さんは恐怖のあまり言葉を失った。
――スリスリしているときに、あいつは何か言っていましたか?
「『あー』とか『うー』とか、なんかそういうことを言っていました」
A子さんは後の弁護側の尋問で、この発言の捉え方を次のように吐露している。
「なんか言いたくないけど『きもちいい』みたいな。例えば、温泉入ったときみたいな気持ちいい系の『あー』でした」
検察官の尋問に対し、彼女は被害に気付いたときの心境を次のように明かした。
「考えてみたら『これはやられてるんだ』『本当なんだ』ということで(母に)話しました。お母さんは、すぐに『そこはもうやめよう』と言って、私のことを守ってくれました」
大山は「ストレッチの延長」と主張
大山被告は、こうしたA子さんの必死の訴えをどのように聞いていたのか。
「大山被告は『A子さんを触ったことに性的な意図はなく、ストレッチの延長に関するもの』という趣旨の主張をしています」(前出・社会部記者)
最後に検察官から「あいつ」への心境を聞かれたA子さんは、声を振り絞るように言った。
「死ねとかは思っていませんが、ちゃんと罪をわかってほしい」
夢を抱いた少女が見た絶望の淵は、あまりに深かった。
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