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このまま別居をして夫婦を続けるか、離婚するかを考えてもらった結果、A子さんが出した答えは離婚でした。

A子さんは、「やはり一緒にいなければ結婚した意味がない。夫が自分と過ごせないということであれば修復は無理でしょう」とおっしゃいました。

夫は一度は離婚に抵抗しましたが、離婚後はA子さんが家を出て実家に帰るプランであること、たまに子どもを会わせるために東京に来ることを伝えたところ、納得して離婚に応じました。

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こうしてA子さんは離婚できました。

親離れできず、結婚しても自立できない

昔はマザコン夫や嫁姑問題が大きく取り扱われていましたが、近年はそういった言葉は死語になりつつあります。大人になっても仲がいい親子が当たり前の存在になったためです。

結婚しても義実家とコミュニケーションを取れると、家族の孤立を防ぐことができる、子育てに協力してもらえるというメリットがあります。

その反面、A子さんの夫のように、無自覚に親離れできず、結婚しても自立できないというケースも存在するのです。

本人に「親離れできていない」自覚がない

自立には、経済的にも精神的にも苦労を伴います。

年齢的に、また社会的にも結婚をしなければならないと思って結婚はするものの、その後も、経済的にも精神的にも楽でいられる実家に軸足を置いたままで、「家族は実家の両親だけ。結婚相手は本当の家族ではない」と考える人がいるようです。

この事例では夫の側でしたが、「妻が結婚後も毎週末実家に帰るために、まともな夫婦生活が送れない」といった事例もよく見られます。

先ほども述べた通り、近年は親と仲がいいのは普通のことになっています。そのため、本人に「親離れができていない」という自覚がなく、話し合っても「親に助けてもらって何が悪いんだ」といった意見に終始してしまい、すり合わせが難しい場合が非常に多いです。

いつまでも両親の庇護のもと何不自由がなく生活できていると、自立するのは難しいことなのかもしれません。しかし、結婚生活というのは自立した家庭を築いていくことです。結婚してもまだ両親の子どもでいることと、夫や妻、そして子どもの親であることは両立できません。自分自身が子どもでいることの方が心地よいままだと、夫婦が不和になり、取り返しのつかないことになってしまいます。