交流戦も佳境に入った6月中旬、梨田昌孝監督が辞任という悲しいニュースが入ってきた。借金20が責任をとるラインとの考えがあったようだが、球場に行けば自分のような芸人にも『いつもありがとう』と声をかけて下さりがっちり握手をしてくれる気配りの方だった。

 結果が全てのプロの世界は時に非情であるが、そこは皆同じ条件。覚悟の上での勝負にケジメをつけたのだからそれでよかったのだろう。

 しかし、バトンを渡された平石洋介監督代行のプレッシャーたるや想像を絶する。そんな中、新体制になり6月26日終了時点で4勝2敗とここまで大健闘、ほんの6試合ではあるが、早くも平石監督代行の新しいイーグルスの形がうっすらと見えてきた。

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平石監督代行

平石監督代行になって変わったこと

 まず、明らかに変わった所で言えば、外国人に頼らない打線である。就任2戦目のベイスターズ戦では2016年6月9日以来約2年ぶり全て日本人による純国産打線で試合に臨み、12安打7得点で勝利した。その後も1番~5番までの上位打線は日本人で構成、もちろん一発のある外国人の調子が上向きならすぐにでも主軸を任せたい所だが、ウィーラーは骨折で長期離脱しており、ペゲーロも24日に一軍復帰しヒットは放ったもののフェンス直撃の当たりを手応えからホームランと確信し抜いた走りで結局シングルヒット&牽制死。ノーアウト二塁になるはずがワンナウトランナーなしに。結果はその後、連打が続き今江選手のタイムリーなどで1点差まで詰め寄ったが、野球の流れでいけば0で抑えられてしまうパターン。逆転勝ちはしたが今のところ打線の軸を任せられる選手ではない。アマダーも調子は上向きだがクリーンナップではなく6、7番にすえておくのがベストのような気がする。

 そして何より田中和基、茂木栄五郎の1、2番が確立できたのが大きい。昨年の茂木、ペゲーロほどの破壊力はないが、スピードは断然上。2016年のファイターズ西川、中島の脚は本当に嫌だった。しかし現在さらにそこにパワーがプラスされたのがライオンズの秋山、源田ではないだろうか。僕の中では12球団最高の1、2番だと考えている。

 どうだろう、スピード、パワーで言えばその2つ(西川・中島、秋山・源田)のバランスをとったくらいになるんじゃないか。特にワクワクさせられたのは6月19日のベイスターズ戦、田中選手の内野安打3つによる5打数4安打2盗塁だ。前半戦でライオンズ秋山選手の内野安打で出塁後にかき回されたのを思い出した。ピッチャーにとって打ち取った当たりで出塁されるほど嫌な事はない。さらに田中選手が出塁する事で、茂木選手も明らかにストレートに絞り安打を量産、この6試合24打数8安打と徐々に戻りつつある。