次は消防団の面々の悪さだ。私も消防団のご一行様のツアーに2度ついたことがある。その2度ともがバス内は酒で大盛り上がりであった。

 1度などは予定していた観光はすべてカット。いきなりバスは旅館に入って、そこでまた酒盛りという具合にハチャメチャのツアーとなった。

 そういう荒くれ男どもを相手にしなければならないので、消防団によっては地元のバス会社に断られてしまう。それで少し離れたところにある会社のバスに乗るという複雑な手続きをしなければならない例もあるそうだ。

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 まあ、彼らは本物の「男の世界」に生きているからね。そういう荒ぶる男どもがいなければ火事などの惨事はとうてい収まらないのだ。

バスガイドのブラジャーを…

 さて、問題のツアーは、そういう純然たる「男の世界」に、うら若きバスガイドがいたことが、そもそもの発端だ。例によってツアーは進み、男性たちのアルコールはグイグイと回っていく。

 すると若い男性が突然立ち上がって、何とバスガイドを襲ってしまったのだ。シャツを破り、ブラジャーを剝ぐなどの不適切な行為をしてしまう。

下着を奪われた女性バスガイドは泣いてしまったという。写真はイメージ ©getty

 仲間たちは酔っていたのであろう。ヤンヤの喝采を送る。一方のバスガイドは泣き叫び、抵抗する。映画ではないのだ。昼日中のバスの中のことなのである。

 悪いのはもちろん、そんなことをする男性のほうだ。けれども、そういうギラギラの男性の集団に若い女性のガイドを出すというバス会社もバス会社なのである。

 さすがにこの時は消防団の責任者が止めた。その責任者の喝で不適切な行為はストップ。以降はシュンとして静かなツアーになったという。それでその珍事もどうにか収まったのである。

 その責任者が常識をわきまえた人で本当によかった。私が添乗したツアーの時には宴会で当の責任者が率先してハメを外し、不適切なことをしていたものね。

 この事件なんぞは、セクハラというより、完全に事件として警察に届けなければいけないことだろう。それをうやむやにしてしまうところが客商売の悲しいところだね。

 もちろん翌日はバスガイドなしのツアーとなった。誰も文句を言わなかったそうだ。

次の記事に続く 「警察に通報するぞ」店主は“鬼のような顔”で大怒り…もしバスツアーのお客さんが「万引き」を働いたら、あなたならどうする?

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