MagSage非対応、至近距離でのAirTag対応も劣化
意外な違いとしては、MagSafeに対応しないことが挙げられます。磁力を用いて背面にアクセサリを取り付けたり、MagSafe充電器を吸着させられるMagSafeは、本製品では利用できません。Appleは否定しているものの、今回初搭載の自社製モデムと相性が悪く、搭載しようにもできなかったという噂もあります。
MagSafeではない一般的なワイヤレス充電機能は搭載されているものの、磁力による位置合わせに慣れてしまっていると、不自由さを感じるのは確実です。マグネットによる吸着機能を備えた保護ケースを追加してしのぐ方法もありますが、吸着力はどうしても弱くなってしまいます。MagSafeを省いたことでボディが薄くなっていれば話は別なのですが、そうでもないので余計に不可解です。
見落とされがちなポイントとして、UWB(超広帯域無線)に非対応であることが挙げられます。UWBを使った機能としては、AirTagの置き場所まであと数mというところまで近づいた時に、具体的な方向や距離を表示する機能がありますが、本製品はUWBに対応しないため、AirTagの場所は、マップアプリ上で大雑把に把握することしかできません。自宅のどこかにあるのは分かっても、どの部屋にあるかまでは追跡が困難です。
最近さまざまなメーカーから発売されている、AirTag互換の忘れ物防止タグは、もともとUWBに対応しないので、こちらを中心に使っているのならあまり気にならない可能性もあります。またUWB自体、毎日使うほど利用頻度の高い機能ではないのも事実です。とはいえ実際にその便利さを体験したことがあるユーザからすると、「さすがiPhone」と感心すべき機能の一つが省略されているのは、残念なポイントであると言えます。

