アカデミー賞®を席巻した『フォレスト・ガンプ/一期一会』のスタッフ&キャストが再集結して贈る映画『HERE 時を越えて』が4月4日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開となる。

 本作は、地球上のある地点に固定カメラを設置し、その場所に暮らす幾世代もの家族が交差して描かれる、愛と喪失、記憶と希望の物語。巨匠ロバート・ゼメキス監督の最新作であり、動かないカメラで時空を越える、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の精神を引き継いだとも言える本作は、「すべては、ここ(HERE)で起こる」というテーマのもと、紀元前から現代までを往き来する壮大な時間旅行をひとつの舞台で描き出す。

 このたびは『HERE 時を越えて』の公開を記念して、ロバート・ゼメキス監督のオフィシャルインタビューが公開された。

©2024 Miramax Distribution Services, LLC. All Rights Reserved.
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――まずは『HERE 時を越えて』の見所を教えてください。

ロバート・ゼメキス監督(以下、ゼメキス監督) 本作の中心となるのは、トム・ハンクスとロビン・ライトが演じた一組の夫婦だ。観客が目にするのは、ひとつの視点から描かれる数十年の物語で、キャラクターの若者時代から老いていくまでを追っている。さらに、そのストーリーが展開すると同時に、同じ地点で起こった何世紀も前の別のストーリーなどが映し出されていく。僕や脚本家のエリック・ロスみたいな世代は特に共感できると思うよ。

――ゼメキス監督にとってチャレンジが多い作品だったのでしょうか?

ゼメキス監督 映画というアートを今まで見たことがない形に変えていくことが好きなんだ。そこには恐怖やリスクを伴うけど、その分楽しさもある。原作のリチャード・マグワイアによるグラフィック・ノベルはストーリー自体が実験的だし、こんな映画は自分でも観たことがないね(笑)。

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――原作のグラフィック・ノベルを読んだ感想を教えてください。

ゼメキス監督 原作のグラフィック・ノベル(日本では「HERE ヒア」として国書刊行会から出版)は傑作だよ。この本は地球上のひとつの場所を舞台に、その周囲で世界が変化していくさまを描いている。マグワイアは、同じ風景の中に複数のコマを描くことで、それをグラフィカルに表現してみせた。この物語を映画化するにあたって、我々はそのままのビジュアルを用いることで、それぞれの物語が対話しているかのような、時間を超えて響き合う感覚を表現したいと思ったんだ。

――本作を撮影するために、トム・ハンクスやロビン・ライト、脚本のエリック・ロスなど、『フォレスト・ガンプ/一期一会』のキャスト・スタッフが再集結しました。

ゼメキス監督 一緒にやって楽しいと思える才能ある人たちと仕事をしようと常に心掛けているね。ずっとトム、ロビン、エリックと映画を作りたいと思っていたし、とにかく彼らと仕事するのが好きなんだ。素晴らしい才能を持つ人と仕事する機会に恵まれたら逃す手はないよ。楽しく仕事ができる役者たちとまた組めて、とても楽しかった。彼らとは沢山の映画を作ってきたし、3人でまた映画を作るのは大きな喜びだった。

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――本作ではカメラが一つの場所に固定されています。その点で苦労はありましたか?

ゼメキス監督 この物語の伝え方を決めるため、映画製作に一生分を費やしたよ。ひとつのカメラ位置から何世紀もの時の流れが展開していく本作は、すべてのシーンがそのフレームの中で機能しなければならない。簡単なことのように聞こえるが、すべてのシーンをすべての時代のすべての登場人物に対応させるためには、想像を絶するほど複雑なセットが必要だったんだ。

――本作ではトム・ハンクスとロビン・ライトが10代から70代まで、幅広い年齢を演じています。そのためにVFX技術を用いて俳優の年齢を変化させる“デジタルメイク”を使用したとお聞きしました。その意図はなんだったのでしょうか?

ゼメキス監督 本作のように、複雑で異なる時間軸が重なり合う物語を描くとき、同じキャラクターを複数の俳優が別々の年齢で演じると、違和感が生じてしまうんだ。だが、このツールを使えば、トム・ハンクスやロビン・ライトのような偉大な俳優自身が若者時代を演じることができる。だから、観客は全くの別人を見て、『ああ、若い頃の彼だったんだ』などと思い込む必要がない。自然に見ることができると思うよ。

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――窓の外から見える景色にもこだわりがあるんですよね。撮影中からLED技術によって風景が映し出されていたとお聞きしました。

ゼメキス監督 最初は、様々な季節や時間帯があるから、窓の外にブルースクリーンを設置するのが当然だと考えていたが、LEDスクリーンを使うことで、リアルタイムで照明を変えることができた。これは本当に素晴らしいものだったね。現場で「太陽の位置をもう少し低くしてほしい」と言えば、ダイヤルを合わせるだけで窓の外の影が長くなる。ポストプロダクションに何週間もかけて完成を待つ必要がなかったんだ。

――映画の楽しみ方の選択肢が増えましたが、映画館で映画を観る醍醐味を教えてください。

ゼメキス監督 映画を他の観客と一緒に観て、共有するというのはいつだって素晴らしい。そういう行為自体が楽しい体験だ。どんな種類の映画でも、暗い劇場で見知らぬ人たちと観ることでまったく違うエネルギーや感情を感じられる。これは、ひとりで見ても得られないものだと思う。僕たちの仕事は観客が自分に重ねあわせられるストーリーを提示することだと思う。登場人物のストーリーに共感して感情的に共鳴するという体験を提供するのが、映画の役割じゃないかな。特に映画『HERE 時を越えて』が提示するものを100%理解するには、劇場の大画面で観る必要が絶対にあるね!

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映画『HERE 時を越えて』は4月4日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー!

ロバート・ゼメキス(監督・共同脚本) 1952年5月14日、アメリカ・イリノイ州出身。高校時代から映画を撮り始め、南カリフォルニア大学卒業後、スティーブン・スピルバーグのアシスタントとして働き始め、スピルバーグとの長きにわたる交流のきっかけとなった『1941』(79)の脚本をボブ・ゲイルと共に執筆する。1978年『抱きしめたい』で監督デビュー。『ロマンシング・ストーン・秘宝の谷』(84)に続いて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)は世界的な記録的大ヒットとなり、シリーズ化(89・90)もされ、映画史に残る名作となった。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)では、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米監督協会賞で監督賞を受賞ほか、本作はアカデミー賞作品賞、トム・ハンクスの主演男優賞含む6部門受賞など、数々の栄誉に輝いている。

<STORY>

恐竜が駆け抜け、氷河期を迎え、オークの木が育ち、先住民族の男女が出会う。悠久の時を越えてその場所に家が建ち、いくつもの家族が入居しては出てゆく。心を揺さぶるドラマと共に。1945年、戦地から帰還したアル(ポール・ベタニー)と妻のローズ(ケリー・ライリー)が家を購入し、やがてリチャード(トム・ハンクス)が生まれる。世界が急速に変化していく中、絵の得意なリチャードはアーティストになることを夢見ていた。そんな中、別の高校に通うマーガレット(ロビン・ライト)と出会い、2人は恋におちる。マーガレットは、高校卒業後は大学に進学し、弁護士になることを目指していた。だが、ここから思いがけない人生が始まる──。

 

監督:ロバート・ゼメキス

原作:リチャード・マグワイア

脚本:エリック・ロス&ロバート・ゼメキス

出演:トム・ハンクス ロビン・ライト ポール・ベタニー ケリー・ライリー ミシェル・ドッカリー

2024年/アメリカ/英語/104分/カラー/5.1ch/ビスタ/原題:HERE/字幕翻訳:チオキ真理/G

提供:木下グループ

配給:キノフィルムズ

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公式サイト:here-movie.jp 公式X:@HERE_movie0404

提供/(株)キノフィルムズ