文春オンライン

夏の甲子園開幕直前 山下斐紹、古川侑利、久保裕也に聞いた、あの夏の記憶

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/08/02
note

母校が初の甲子園出場 久保裕也から後輩に熱いメッセージ

好きなアイスは「ハーゲンダッツ・ショコラミント」の久保裕也選手 ©河内一朗

 そして、7月27日の福岡ソフトバンク戦で今季初勝利を収めヒーローとなったのが、楽天イーグルス2年目の久保裕也選手。一度は育成契約になったが、今季再び支配下登録され、現在は1軍のマウンドでベテランの投球術を魅せてくれている。

 久保選手はいわゆる松坂世代。福岡・沖学園高校時代の思い出話を聞くと、「練習は、高校時代がホントに一番厳しかったです。それから、グラウンドのネットの裏にビール工場があるんですが、発酵させてる匂いが漂ってきて、夏場は特に何とも言えない匂いだった事が忘れられません」と、厳しい練習の記憶とともに蘇るエピソードを話してくれた。

 その母校・沖学園高校が、今年甲子園初出場を決めた! 南福岡大会の準決勝で強豪・福岡大大濠高校を8ー5で破り、決勝戦は九産大九州高校を1ー0の接戦で制し、学校創立60年目にして100回記念大会の甲子園出場の切符を手にしたのである。その日、真っ先に久保選手のところに行って話を聞かせてもらった。

ADVERTISEMENT

河内「母校が初の甲子園出場、相当嬉しいのでは?」

久保選手「めちゃくちゃ嬉しいです。でも、当時の監督から代わっていて、僕が直接知っている人がいないので、今はこの喜びを誰に伝えたら良いのかもどかしい心境です(笑)」

河内「20歳下の後輩に一言お願いします」

久保選手「初出場という事で、緊張したり、気持ちが空回りする事もあるかもしれないですが、諦めた時点で勝ちは絶対に掴み取れないので、どんなに負けていても、どんなに苦しい状況でも最後のアウト1つ取られるまでは諦めないで、みんなの力で1つでも多く甲子園で勝ってほしいです」

 後輩への熱い言葉に胸が打たれた。

 プロ野球選手として現役でプレーする事を諦めずに、テストという形で楽天イーグルスに入団した久保選手。沢山の経験を経て、諦めずに戦い続け、挑戦し続けている久保選手の言葉だからこそ、とても胸に響いた。

 楽天イーグルスのヒーローに、高校時代のドラマあり。今年の甲子園にも、数々のドラマが待ち受けているに違いない。高校球児の熱戦を楽しみにしつつ、もちろん楽天イーグルスがここから1勝でも多く勝って上位にいくためにも、とにかく絶対に諦めずに熱く応援していきたいと思う。

※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/8020でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

夏の甲子園開幕直前 山下斐紹、古川侑利、久保裕也に聞いた、あの夏の記憶

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!