岩本理事長の捨て台詞

 そしてその頃になると、第三者委員会にも変化があったという。心臓血管外科教授の新浪博が述懐する。

改革を訴えた「七人衆」の中心、新浪博教授はサントリーホールディングス会長の新浪剛史の実弟(東京女子医大HPより)

「6月28日から7月8日までの回答期限で、第三者委員会の2回目のアンケートがありました。それは1回目とは随分ニュアンスが変わり、われわれの意見に近い内容になっていました。なぜこんなにスタンスが変わったのか、と不思議でしたが、職員たちには『今度のアンケートには答えたほうがいい』と伝えました」

東京女子医大の理事を務めていた木下直哉・木下グループ社長 Ⓒ共同通信社

 たとえば2回目のアンケートの設問3は〈岩本理事長や経営統括部に権限と情報が集中しすぎていて、ブラックボックス化しているように見える〉と記している。1615人の回答数のうち、〈強く思う〉が923人おり、〈ある程度そう思う〉の393人を足すと、81.5%の職員が岩本体制に懐疑的になっている。

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この続きでは、岩本氏が解任された以降の内幕が明かされています》

出典元

文藝春秋

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