現役の宙組生が自ら命を絶った悲劇から2年が経った宝塚歌劇団。劇団は再発防止に向けた組織改革を進め、9月に開幕した宙組公演で、ついに“最大のタブー”に切り込んだ。
私設FCに大きく依存してきたチケット販売
「私設ファンクラブ(以下、FC)との関係の見直しです。トップスターや中堅生徒の一部には、ファンの有志からなる劇団非公認のFCが存在します。入会すれば、生徒本人が参加する“お茶会”と呼ばれるファンミーティングに出席できる。
中には生徒の送迎や家事を手伝う会員までいます。劇団は生徒を献身的に支えるFCに依存し、歪な“推しビジネス”を放置してきました」(文化部記者)
とりわけチケット販売で、劇団は私設FCに大きく依存してきたという。
「私設FCのチケットというのは、トップスターのFCが劇団から一括で買い取ったものが、同じ組の生徒のFCに分配されるもの。私設FCがチケットを必要枚数よりも多い数を確保しているため、FC内でチケットが余っている公演もあります。
各FCは、手持ちをさばくことができないと、トップFCから人気公演のチケットの割り当てを減らされてしまうので、会員たちは必死にチケットをさばこうと奔走します。
こうしてチケットの販売“ノルマ”が発生するわけです。最終的にチケットが余ると、FCや生徒の親族が買い取ることもあります」(劇団員)
劇団はついに、こうした私設FCのチケット問題にも着手。9月から行われている宙組公演からは、トップスターFCから降りてくる形ではなく、各生徒のFCが劇団側に直接必要枚数を申し込む形に切り替えたのだ。ところが、である。
「問題は解消されていません。今もまだ、“チケットノルマ”は続いています」
そう明かすのは、ある組の生徒のFC会員だ。宙組公演がはじまった9月、この会員のもとに届いたのは、宙組生徒FCからのメールだったーー。
現在配信中の「週刊文春」ではメールの中身を公開。私設FCにおけるチケットの販売“ノルマ”や、12万円を超える大量のカレンダーが取引きされる実態をリポート。また、今年8月に退団した星組前トップスターの礼真琴の新天地についても詳報している。
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