高校時代は心ない男子生徒から「デブス」と言われたことも⋯⋯。摂食障害と双極性障害を経験したインフルエンサー・もち子さん。高校時代は体重に悩み、周囲からの心ない言葉に傷ついた彼女が、いかに人生の危機を乗り越えたのか。偏差値30からの受験勉強と、それに続く試練の日々を追った。
「高校デビュー」を夢見て偏差値30から猛勉強
「高校に入ったら変わりたい」——中学生時代のもち子さんが抱いた強い思いだった。「デブス」と男子から日常的に言われ、自分に自信が持てなかった彼女は、自由な校風の高校に入れば自分も変われると信じていた。
しかし、その志望校の偏差値は60〜65。一方で彼女の模試の結果は偏差値30程度。学校の先生からも「無理だ」と言われる状況だった。
「とにかく、頭が良かったわけではないので、人の10倍の量をこなしました」
中学3年生の夏休みは朝10時から夜10時まで塾にこもり切り。元日さえも塾に通う毎日を送った。その結果、模試で偏差値67を記録し、志望校にトップの成績で合格を果たした。
ところが、憧れていた高校生活は、彼女の想像とはかけ離れたものだった。キラキラした高校には、可愛くて細い子たちが集まる。自分だけが周りと体重が20キロも違うことに苦しんだ。
「私が歩いていると『ドスドス聞こえるね』と言われたり、自転車をこいでいると『がんばって漕がないと痩せないよ』とからかわれたり……」
友達だと思っていた子たちからの言葉が、彼女を深く傷つけた。いじめとまでは言えなくても、毎日が地獄だったという。
高校3年生になると、再び勉強に活路を見出そうとした彼女。だが、学校生活のストレスと受験のプレッシャーが重なり、過食と嘔吐を繰り返す摂食障害に陥った。勉強も波が激しくなり、ついに夏休みに入ると塾に行けなくなり、家から一歩も出られなくなってしまう。
病院で「双極性障害」と診断されたとき、彼女は「もう自分はダメなんだ」と思い詰めた。しかし、両親は「もう勉強しなくていいよ」「大学に行きたいなら、来年浪人すればいいから」と優しく声をかけてくれた。
最終的には、先生に勧められたAO入試を受け、無事に大学合格を果たしたもち子さん。「無理して偏差値の高い大学に入るより、自分を大切にする人生を送りたい」——彼女はそう決意した。
今では1万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーとして活躍するもち子さん。彼女がどのようにして健康的な筋肉とメンタルを手に入れたのか、その続きは後編で明らかになる。


