僕の手紙を読んで、答えを事前に考えていたのだろうか、滔々(とうとう)と語った。
「かわいそうだとか思わなかった?」
「そのときはあんまり思ってなかったですね」
Cに尋ねた被害者への償い
裁判で、X子さんの父親は「私たち親の気持ちとしては、これだけ残虐な殺され方をして、『返せ』と言っても死んでしまったわけですから、償いは一生かかってもやってもらいたいと思います」と証言した。
「被害者の父が裁判中に『一生をかけて罪を償ってほしい』と言ったが、その言葉を今でも覚えていますか?」
「ああ、まあ、覚えていますね。いろいろ言われたというのは」
「自分自身のなかでどのように受け止めていますか?」
「うーん。まあ、今、だからまだ自分自身のなかで落ち着いていないし、やっぱこういうふうに生活していればそのなかで一生懸命やるとか。だからはっきり言ってあれですね。やっぱ自分でどうやって生きようかとかそういうことを考えていますね」
「職場や周りの人たちは事件のことを知っていますか?」
「知らないですね」
「供養するなど具体的な行動を起こすことは?」
「そういうのもあんまりしてないですね」
「今は生活するだけで精一杯という感じですか?」
「生活するだけというか、事件のことだって、それは考えるというか浮かんできますよね。まったく忘れているということはないですね」
塀の中での生活
僕は再び刑務所内の状況について尋ねた。
「刑務所のなかでの待遇は?」
「待遇とかそういうのは……」
「いじめとかはなかった?」
「みんなこの人が何をしたからとかそういう目で見るというのか、そういう人もいましたけど、でも基本的にそうじゃないですか、あの人が何をやったからこうだというのじゃなく、まず話してくれるというのか、人間を見てくれるから」
「刑務所のなかにいたとき、ほかの受刑者は事件のことを知っていましたか?」
「知ってますよ」
「なかでの経験はそんなに悪くなかった?」
「悪いというか、もう行きたくないなと思いますね、それは。でも自分でそういうなかでもやってきたというか、そういうのがすごくプラスになってます。そういうものがなかったら、ちゃんとここでもやっていけてないかもしれないし」
「刑務所は川越少年刑務所?」
「そうですね。まあいろいろ」
「いくつか別の刑務所にも?」
「いや、そういうのはあんまり」
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