食事時間も、老化を判断する目安になります。30分程度で済んでいたお昼ご飯が40分、50分かかるようになっていたら注意が必要。歯や唾液の状態にも関係しますが、むせないように自然とゆっくりになっている可能性もあります。身体がむせない食べ方を体得して、自分でも気づかないうちに時間をかけるようになっているのです。
さらに、患者さんをみていると、薬やサプリメントの錠剤が飲みにくくなる方もいます。イメージしたタイミングで飲み込めなかったり、喉に引っかかってしまうのです。
久しぶりに帰省して、高齢の親の声が……
飲食以外の場面でも兆候はあります。分かりやすいのは、声が弱々しくなったとか、震えたような声になった場合です。
これは「無力性嗄声(させい)」と言われる状態。声帯は弦楽器のように震えて声を発生させますが、声帯も喉にある筋肉の一つで、声帯とその周辺の筋肉量が減って痩せてくると、声自体が弱まってしまうのです。
高齢になると耳の聞こえも悪くなってくるので、一般的には声が大きくなりがちです。それが小さく弱くなるのはわかりやすい変化。久しぶりに帰省して、高齢の親の声が小さくなったと感じたら要注意です。
最後は、冒頭でも説明した、喉仏の位置。男性は女性に比べて喉仏が大きく重いので下がりやすい。
喉仏を支える舌骨上筋群が弱まると位置がだんだんと下がってしまう。喉仏に指先を当てて唾液を飲み込んでいただければわかりますが、喉仏が飲み込みに合わせて上方に動くはずです。喉仏が下がってしまうと、嚥下の際に喉仏が動かなければならない距離が伸びる。その分、食塊が喉に落ちてきた時に喉頭蓋の動きに時間がかかり、誤嚥する可能性が高くなるのです。
〈この続きでは、喉の老化を30秒でチェックする方法や、喉の筋トレ方法を紹介しています〉
※本記事の全文(約6200字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年2月号に掲載されています(木村百合香「喉のアンチエイジング」)。全文では、下記の内容をお読みいただけます。
・喉の筋肉が老化する
・老化を防ぐ喉の筋トレ
・喉のためによく食べよう
