別世界に迷い込んでしまった庶民の目線から小学校受験を描く
ここまで手間とお金をかけているのだから、子どもの成績が思うように上がらない時、冒頭のモラルハラスメントのような言動をしてしまうのかもしれない。もしくは、ママ友親子の成績が順調に伸びている中、母親の劣等感と焦りが子どもへの対応に出てしまうこともあるだろう。
上記のエピソードはまだ穏健な方で、小学校受験の教育虐待をネットで検索すると、大人ですらメンタルを壊してしまいそうなモラルハラスメントのエピソードが大量にヒットする。地域の公立小学校に通った”庶民”からすれば、想像できないような世界である。
我々庶民にとっては、小学校受験とはある種の異世界であり、奇妙なルールがはびこる因習村といってもいいのかもしれない。そんな別世界に迷い込んでしまった庶民の目線から小学校受験を描くのが『だって私は空っぽだから お受験編』である。
主人公は地方出身で学歴も普通の主婦。ふとしたことが契機で都内の湾岸エリアに住むことになり、そこで出会ったママ友の影響で小学校受験を始める。そこで、小学校受験によって子どもの個性に合った質の高い教育を享受できたり、高校・大学受験をパスすることができたり、人脈をつくれたり、といったメリットがあることを知る。しかし、年収も子どもの性格においても、小学校受験には不向きであった主人公一家はやがて不幸な運命をたどることになるのだ。
別世界の人間が安易に飛び込んでしまった時、果たしてそれは本当に子どものためになるのだろうか。上流階級の仲間入りをしたい、自分の学歴コンプレックスを子どもの学歴で慰めたい、優秀な子どもに育てたと称賛されたい……そういった欲望に突き動かされていないだろうか。
そうなってしまった時、小学校受験は教育という大義名分を隠れ蓑にした“空っぽな自己実現”でしかないだろう。
『だって私は空っぽだから』はコミックシーモアにて先行配信中! 1話のつづきを読めるのはこちら。

