シンと静まり返った大阪地裁503号法廷。少しよれた黒いスーツに紺色のネクタイを締めた男は、大きな身体を揺らしながら証言台に立つと、くぐもった声でこう宣言した。

 

「玲奈を殺めてしまって悪く思っています。罪を償い、玲奈のことを忘れず生きていきたいと思います」

 2025年2月、大阪府八尾市の集合住宅でコンクリ詰めにされた女児の遺体が見つかった。ミイラ化した遺体の女児は、のちに岩本玲奈さん(当時6歳)だったことが判明した。

遺体が発見された集合住宅

コンクリートがびっしり詰められた金属製の衣装ケース

 飯森憲幸被告(42)が大阪府警に死体遺棄の容疑で逮捕されたのは、2025年3月1日のことだ。社会部記者が語る。

「きっかけは認知症を患う飯森の父親が、老人ホームに入居するため集合住宅から退去したことでした。部屋に残された家財道具など一式は処分できたものの、押し入れに入っていた金属製の衣装ケースだけが重くて動かせない。ケースの中にはコンクリートがびっしり詰められており、怪しく思った管理会社が警察に通報し、事件が動きだしたのです」

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 衣装ケースの重さは約200キロ。表面にザラつきもなく、実に滑らかにコンクリートが詰められていた。管理会社の担当者が口を開く。

玲奈さんの遺体が詰められていた衣装ケース

「正直、ひとめ見た瞬間にピンと来た。もしかしたら行方不明になっている子どもでも入っているんじゃないかって……」

 捜査が始まり、飯森は傷害致死の容疑でも再逮捕。さらに交際相手の柴田朱里被告(37)も死体遺棄の容疑で逮捕に至ったのだ。司法解剖の結果によれば、亡くなった玲奈さんの死因は外傷性ショック。脇腹から背中にかけて皮下出血とみられる痕があり、左腹部の臓器から出血していたことも分かった。

 何の罪もない6歳の少女はなぜ殺され、コンクリ詰めにされてしまったのか――。