B級ホラーの魅力とは?
編集A 倉野さんのB級ホラー映画好きは、いまやSNSなどを通じて熱心なファンの間では有名ですが、そもそもA級とB級の違いって何なんでしょう? また倉野さんが愛するB級ホラーベスト3は?
倉野 A級とB級の違いは……予算の違い、と言いたいところですけど、低予算でも『悪魔のいけにえ』みたいなA級はありますしね。ルチオ・フルチみたいな、「観客はこんな感じに作っとけば喜ぶやろ」みたいな職人気質の映画はB級かなあ。あ、でもフルチはC級かも(笑)。
B級ホラーのベスト3……難しいけど『デモンズ2』、『ビヨンド』、ジョン・カーペンターの『世界の終り』とかは大好きです。
編集A 『スノウブラインド』や『墓地裏の家』が刊行された当時は思った以上に反響が少なく、早々に書店から姿を消したという苦い記憶があります。それが、いつの間にか再評価の機運が高まり、今回の復刊や『ナッハツェーラーの城』のブレイクに繋がったと思うのですが、その辺りの事情をご自身ではどのようにとらえていらっしゃいますか?
倉野 夷戸のシリーズはコロナ禍に入る少し前に、社会人ミステリ研究会(シャカミス)という読書サークルの方々が面白がって、色々宣伝してくださいました。それが電子書籍化につながり、さらに『弔い月の下にて』刊行への道筋がついて、一部のミステリファンに再発見してもらった感じだと思います。
自分で言うのも何ですが(笑)、時代より一歩早かったんですかね?
編集A 倉野作品はホラー要素も含まれているので、近年のホラーブームも最後の一押しになってくれたのかもしれませんね。
さて、「最後の奇書」を書いてしまったいま、これからのご執筆の方向性についてはどのようにお考えですか?
倉野 実は、せっかくミステリ作家になったのだから、一度は大トリック一発で勝負するガチガチの本格を書いてみたいという夢があるんです。でもまあ、それは夢のまま終わりそうですが(笑)。
編集A まだ具体的な次回作の構想はないということですね(笑)。
倉野 長篇はあと1年くらいしたら……(笑)。その間にオファーを受けている短篇を書きます。
編集A 今回、書泉・芳林堂さんで復刊された『スノウブラインド』と『墓地裏の家』の特典小冊子に収められた「絵描きと蚯蚓」と、『ナッハツェーラーの城』の特典「双子」はとてもいいホラー短篇ですね。長篇も短篇も新作を期待してお待ちしています。
