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岡ーズが考える「岡なき世界の日本ハム外野陣」

文春野球コラム ペナントレース2018

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テーマは「岡なき世界の日ハム外野陣」

 で、このままだと何の話かわからないからだんだん野球コラムにしていきたいが、岡ーズの会合で盛り上がったテーマに「岡なき世界の日ハム外野陣」がある。カラオケ行くなら斉藤和義だ。岡なき時代に生まれたわけじゃない。まぁ、ロッテで平沢大河に教わりながら初めて「ウィーアー」やったときの初々しさだって語り合う値打ちがあるが、一応、僕らは日ハム陣営なのでチームのこともバリバリ考えているのだ。

 ファイターズは何しろ100試合過ぎて開幕投手が初勝利するようなチームだから不思議なことが色々起きるのだが、「岡なき世界の外野陣」は本当に読めない。いや、センター西川遥輝、レフト近藤健介と別格の2人はほぼ固まっている。固まっているが、2人とも調子が上向かない。まぁ、西川はだいぶ上昇気配だが、コンスケは8月絶不調だった。前半戦、ケガを押して出場していた無理がたたったのか。それとも単なる夏バテ、疲れの類だろうか。本当なら少し休ませてやりたいところだが、打線に西川、近藤の名前があるのとないのとじゃ重みが違う。また2人の守備力がハンパないのだ。西川の守備力は誰もが認めるところだが、コンスケのレフト守備がすごい。毎試合ファインプレーを見せる。やればやるほど上手くなっている。元々、鉄砲肩で知られた選手だ。いつかゴールデングラブを獲るんじゃないかなと期待している。

「岡の魂を宿す者」を発見

 で、問題はライトだ。これがね、岡ーズで話し合ってもみんな持論を譲らず、大変なんだな。今季は大田泰示が「2番ライト」をものにしていたでしょう。スケールの大きな2番打者は2018年ファイターズの看板だった。それがオールスター直前、骨折による戦線離脱でドラマを生む。くすぶっていた松本剛が岡を押しのけてスタメンを掴む。で、そこから不思議なことになっていくんだ。岡のロッテ移籍が決まり、松本剛が味を出し始めると次第に出番が減る。2軍から積極性の淺間大基が出てきて、味を出し始めると次第に出番が減る。傷の癒えた大田が2番に復帰し、味を出し始めて現在に至る。僕は正直言って、松本剛も淺間も大田も全部見たい。ここから使えばどんどんよくなるところなのにってもう水晶玉に映ってるからなぁ。これは岡ーズのみんなも(まるで岡大海の後継争いくらいの勢いで)色々言うのだ。「淺間ックスは天才だ」「松本剛は出してやれば去年以上にやる」「タイシの髪型がもっと見たい」「谷口きゅんの持ってる華に賭けよう」etc。

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 もちろん岡ーズとしての統一見解など持つ必要もないのだが、つまり心構えだ。一体、岡大海は誰に押し出される形で移籍したのか。それをはっきり知りたい。そしてその誰かを特別、熱を込めて応援したい。人情としてね。

「となるとやっぱり松本剛なんですよね。直接、オールスター明けにしのぎを削ったという意味では……」
「松本剛か、そうなるか……」

 日本海庄やだか鳥貴族だか、そういう居酒屋で岡ーズのひとりが素っ頓狂な声を上げたと思ってほしい。ん、どうしたん?

「え、え、えのきどさん、松本剛の『剛』の字!」
「剛?」
「お、岡って字が入ってます……」
「何じゃと!!」

 松本岡リ。岡の魂を宿す者。宿してない気もするが頑張ってほしい。何なら数試合コンスケを休ませて、英気を養ってもらってほしい。最終決戦で火を噴いてもらいたいのだ。外野陣、出番をあきらめるな。いちばん味が出せる顔ぶれが揃ってるんだ。ギラギラどん欲に仕事を求めてくれ。ここであきらめたらファイターズ自体が上を向かない。言いたいことは以上だ。2位なんて考えないで優勝すること!

※追記:本稿を書き上げた翌日(8月31日)、岡の魂を宿す者、松本剛は玉井大翔と入れ替わりで登録抹消となった。超頑張れ!

※編集部より:最初にアップした岡大海選手の写真が間違えており、先ほど正しいものに修正いたしました。お詫び申し上げます。(2018/9/1  11:45)

東京ドームで負けた岡ーズ ©えのきどいちろう

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