富山県で名を轟かしたレディースチーム「音速天女」の初代総長を務めるも、傷害で少年院へ送られた過去を持つ総長しおりさん(36)。
約2年間の収容を経て、現在はスナックを経営しながら2人の子どもを育てている。当時の行為については深く反省し、更生の道を歩んでいるという。
17歳で逮捕され、1年8カ月に及ぶ少年院での収容生活を終えて地元・富山に戻ったしおりさんを待ち受けていたのは、孤独な現実だった。「音速天女」のメンバーたちはすでに散り散りになっており、かつての不良仲間との縁も自然と切れていた。しかし、不思議としおりさんの心に寂しさはなく、むしろ清々しささえ感じていたという。「出てきてまたヤンチャしよう」という気持ちは1ミリも湧いてこなかった。少年院での内省の日々が、彼女を過去の自分と完全に決別させていたのだ。
出院後はまず、社会人として自立するため、パチンコ店で働き始めた。同時に、かつて無免許で乗り回していたバイクの免許取得にも挑戦。得意だった実技は一発で合格したものの、勉強が苦手だったため筆記試験には7回も落ちるという苦労を味わった。
その後、親が経営するスナックを手伝う中で出会った元夫と結婚し、子供を授かる。だが、幸せな家庭生活は長くは続かなかった。子どもが生まれた瞬間、彼女の中で「この子をしっかり育てなければ」という母親としての強い責任感が芽生え、子育てに対する根本的な考え方の違いが浮き彫りになり、最終的に二人の道は分かれることになった。
「もしこの腕がきれいになったら、どれだけ人生が楽しくなるんだろうって」
更生し、母親として真面目に生きようとするしおりさんが今、最も社会的な生きづらさを感じているのが、若気の至りで入れてしまった両腕のタトゥーの存在だ。始まりは14歳のとき。先輩に勧められるがまま、深く考えずに軽い気持ちで蝶々のタトゥーを入れた。
しかし、その出来栄えが気に入らなかったため、18歳で上から別の柄を被せるカバーアップを決意。だが、それが沼の始まりだった。一度手を入れると次々と柄を足したくなり、カバーを重ねていくうちに、気づけば両腕が隙間なくタトゥーで埋め尽くされていたのである。
この両腕のタトゥーが、現在の彼女の日常に重くのしかかっている。「夏でも好きな半袖の服が着られない。子どもの学校行事、特に運動会のような暑い日でも、他の保護者の目を気にして長袖で必死に隠さないといけない。生きづらいですよ、やっぱり」。
消したいという思いは常にあり、長男が1歳の頃には除去手術のカウンセリングも受けた。しかし、そこで提示された金額は200万円。当時の彼女には到底払える額ではなく、泣く泣く断念せざるを得なかった。「もしこの腕がきれいになったら、どれだけ人生が楽しくなるんだろうって今でも考えます」。そう語る彼女の表情には、消せない過去への深い後悔と、それでも前を向いて生きていこうとする強い意志が混在していた。
インタビュー本編では、元夫との結婚・離婚の詳細や、出院直後に街で「あのしおりさんですか?」と声をかけられた際の複雑な心境なども語られている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。
次のページ 写真ページはこちら
