昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

最高のムードメーカー・新垣勇人 笑顔と野球の狭間で

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/11/03

キャラを超える活躍をしなければならない

「野球以外で目立つことをするときには、野球の結果も出さないといけない」

 新庄選手は札幌ドームのオープニングなどで派手な仕掛けをするときにこんな風に言っていたと聞いたことがあります。がんちゃんだって、稀哲さんだって、勝さんだって、きっと思っていたと思う。本業は野球、パフォーマンスは結果を出してこそ生きると。

 新垣投手は、成績よりもパフォーマンスが先行でした。東芝から2012年のドラフト5位で入団、同期には高卒の大谷選手もいます。27歳での入団、当然即戦力として期待されていましたが、初勝利は3年目の8月19日の千葉でのマリーンズ戦、先発予定だったメンドーサ投手の体調不良のための緊急登板でした。シーズン通して1軍に帯同した年はなく、今季の登板は1試合、6月には「右肘関節内遊離体摘出術」を受けて離脱しましたが、フェニックスリーグで復帰登板。だからこそ、今回の戦力外には驚きました、復帰したからには来年があると思っていたのです。

 結局、あの千葉での試合が唯一の勝ち星でした。通算成績は6年間で12試合で1勝3敗、防御率7.96。「次こそは」「来年こそは」「今シーズンこそは」、このフレーズを新垣投手に何度使ったことでしょう。頭のいい人だから本人は笑顔の裏で苦しいほどわかっていたと思います。キャラを超える活躍をしなければならない、ファンの声援には野球で応えるのが筋だ、と。

 今年もファンフェスがやってきます。ファイターズのホームページ。先日までファンフェスチーム構成メンバーの中に確かに新垣投手の名前があったのに、今はもう消えてしまいました。11月24日、札幌ドームに行ったファンは改めて確認することになるでしょう。「ああ、もう新垣投手はいないんだ」と。新垣投手はトライアウトを受けるようです、その前にどこかから声がかかるかもしれません。もし、またユニフォームを着ている姿が見られたとしたら、そこに野球以外を求めるのを私は自分に禁じようと思います。次こそは、結果を出した男・新垣投手から発信されるパフォーマンスが見たいのです。

※「文春野球コラム 日本シリーズ2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイトhttp://bunshun.jp/articles/-/9352でHITボタンを押してください。

この記事の写真(1枚)

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。