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王貞治氏も「一番飛ばす能力があるのは城所」

 プレーヤーとしても「城所は必ずやる男なんだ」とみんな信じていた。若手時代、当時の王貞治監督も「ウチの若手で一番飛ばす能力があるのは城所なんだよ」と目をかけていた。それが実を結んだのが、プロ13年目、'16年の交流戦だった。スタメン機会を勝ちとると、交流戦期間は打率4割1分5厘、5本塁打、12打点、6盗塁の大暴れ。見事MVPを獲得したのである。

「自分でも出来過ぎだと思う。驚いています」と城所本人はびっくりが止まらない様子だったが、多くのファンの方がどこか誇らしげにしていたのが今は懐かしくも思える。

 いや、わずか2年前の話だ。まだやれる、そう信じていたのに。

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「この世界は必要とされないと、僕の思いだけで野球は出来ない。家族と相談し、家族のことを第一に考えて決めました。妻は『お疲れ様』と。15年間のうち10年間くらいずっと一緒にいた中で、怪我も多かった。手術も4回も球団にさせて頂き、そのたびに復帰を待って頂いた。'15年なんて2度も手術をした。それでも待ってくれた。それが'16年の交流戦に繋がったと思う。感謝しかない」

「こんな僕を15年間も応援していただいて……」

 今後については「野球に携わっていきたい」と表明した。

 そして、ファンの方へもメッセージを送った。

「こんな僕を15年間も応援していただいて、待機ばっかりしてましたけど、ファンの皆さんのおかげで15年間やることが出来ました。現役生活は終わりますけど、これからも野球に携わって行きたいと思っていますので、これからも城所龍磨をぜひ応援してください。ありがとうございました」

 僕らもたくさんの感動や興奮をいただいた。こちらこそ、ありがとう。

 そしてこれからも城所龍磨を応援します。

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