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誕生日を編成面から考える

 私はすぐに、ドラフト戦略を練り始めた。ドラゴンズ史上で誕生日の選手が不在の日(以下、竜の誕生日不在日)を埋めるべく、ドラフト候補生たちの誕生日を調べることとした。こちらは、週刊ベースボールオンラインの選手データ検索のサイトから、「高校生」「大学生」「社会人・独立リーグ」のカテゴリで選手を検索し、選手名と誕生日を表計算ソフトにコピペしていく作業を行い(こちらは2週間かかった)、計771名の調査結果を集計すると、竜の誕生日不在日を埋められる選手がいることが分かった。

 中には、ドラフト上位候補と噂の森井翔太郎(桐朋高、12月15日生まれ)や渡部聖弥(大商大、8月31日生まれ)の名前もあった。この秋のドラフトは彼らの指名で決まりだ。なぜなら、ドラゴンズは今年のドラ1ルーキーの草加勝(11月21日生まれ)で、竜の誕生日不在日を1つ埋めているからだ。ちなみに、草加の前に入札し抽選で外した横浜DeNAの度会隆輝(10月4日生まれ)も竜の誕生日不在日生まれであり、「誕生日不在日埋め」がドラフト戦略の一つになっていると容易に推測ができる。

 ドラフトだけでは獲得する選手の人数に限りがあるので、FA補強やトレードなども視野に入れていきたい。今季国内FA権を獲得した阪神の大山悠輔(12月19日生まれ)やソフトバンクの甲斐拓也(11月5日生まれ)は、竜の誕生日不在日をドンピシャで埋められる存在だ。しかし、FAの話題は心がざわつく方もいらっしゃるので、このくらいにしておく。なお、昨季のオフにドラゴンズが獲得した中島宏之(7月31日生まれ)もそれまでの竜の誕生日不在日の1つを埋めた存在であり、先述のドラフトを含めたドラゴンズの編成戦略の方針がその方向に向かっているのは間違いない。

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「毎日が竜戦士の誕生日」、その日は近い…

 かくして、大変に骨の折れる調査ではあったが、近い将来、きっと毎日竜戦士の誕生日をお祝いできる日が来るだろうということがわかった。その日を楽しみに待ちたいと思う。なおこの調査を通じて「どの選手の誕生日がいつなのか」という情報が、自然と頭の中にインプットされていった。そのおかげで今の私は竜戦士たちの誕生日に関しては、まさに林家ペー師匠状態である。

 ああ、そういえば、夜中に黙々と作業をしている私のことを妻が訝しんでいたのを思い出したので、さっそくことの顛末を妻に話してあげた。

「……ということで、毎日が竜戦士の誕生日になる未来も近いんだよ」

「……え? なにそれ?」

 私はてっきり「ハッハー」という林家パー子師匠ばりのリアクションが返ってくるとばかり思っていたが、まあいいや。ハッピーバースデー、過去、現在、そして未来の竜戦士たち。

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