定年を迎え通勤しやすい環境に住む必要がなくなり、終の棲家を求める60代が増えている。病院との距離、中古マンションの良し悪し、修繕費の目安など、今すぐ使えるポイントを徹底取材。失敗しない住まいの選び方とは。
❶新築マンション購入者の5割が60歳以上
子どもの巣立ち、定年退職、実家の相続……。人生100年時代の後半戦に入る60歳を過ぎると、住み替えを検討する人が増えてくる。住宅ジャーナリストの日下部理絵氏が語る。
「かつて『住宅すごろく』という考え方がありました。社会人になりたての頃は、安アパートに住み、結婚したら社宅や賃貸暮らし。子供の誕生で分譲マンション、最後は戸建てを買って“上がり”というものです。ところが、日本人の平均寿命が延び、現役を退いてから長い晩年を過ごすことになった。そこで、最後に終の棲家を探すという新たな一マスが加わったのです」
国土交通省の「住宅市場動向調査」(2023年)によると、自宅を買った回数が2回目以上の「二次取得者」における新築マンション購入者の内訳では、60歳以上が48.9%と5割近くを占めている。まさに60歳の住み替えブームが到来しているのだ。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子氏もその動きを実感している。
「私も60代ですが、周囲は住み替えの話題ばかりです。定年を迎えて時間に余裕ができ、今まで暮らした家で住み続けるのか、新しい土地に住むのか、自分の出身地に戻るのかを考えている人は多い。また、60代後半になると、賃貸物件の場合、入居を拒否する大家さんも出て来るので、早いうちに終の棲家について考えるべきでしょう」
そこで、60歳からの“失敗しない”住み替えを専門家に取材した。
❷戸建てよりマンションがお薦めの訳
住み替えの際に、まず考えなければならないのは、戸建てかマンションかという問題だ。この点について、「いまではなく、20年先の自分を想像して選んで欲しい」と解説するのは、日下部氏だ。
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source : 週刊文春 2024年11月28日号