「1993 恋をした oh 君に夢中 普通の女と思っていたけど Love 人違い oh そうじゃないよ」
バイトをしていた雀荘の有線放送からいつもこの曲が流れていた1993年の夏の日、正社員の先輩から、「お前はいいよな、大学に行けば可愛い女の子いっぱいいるんだろ?」と言われた。それが、私にはどうもピンと来なかった。
なぜなら、学校に行ってキャンパスを見渡してみても、化粧もろくにしないでジャージみたいな服を着ている女子学生ばかりだったから。私は神奈川県の本厚木にある「森の里」という、駅からバスに乗り換え、更に30分も行った先にある、自然に囲まれた青山学院の教養キャンパス(現在は移転済み)に通っていた。都心の学校に通う女子と比較すると、当時の私には芋っぽく見えていた。
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source : 週刊文春 2024年12月12日号