最近の若い子は酒を飲まなくなってきている。私の周りでもよく聞くようになった話である。実際、うちの若い社員と飲んでいても感じるし、彼らに「みんな飲まなくなっているの?」と聞くと、「そう思います」と答えてくる。ある調査では、Z世代の20歳〜24歳でほぼ毎日酒を飲むのはわずかに4%しかいないらしい。それが良いことなのかは分からない。でも、若い頃から酒を飲みすぎる人生を送り、いまだその真っ最中にいる自分にしてみれば、酒は悩みの種だ。

 投資家などに「藤田さん個人にとっての最大のリスクは何ですか?」と聞かれることがあるけど、決まって頭を(よぎ)るのは「酒」である。一方で、極度のプレッシャーと人間関係のストレスを抱えながら仕事をする自分への最大のご褒美も酒である。私は、酒が好き過ぎて困っている。

 酒を飲んで良い年齢になった頃、私はBARでバイトをしていた。その頃はまだ酒が美味しいとは思えず、客がなぜお金を払って飲みに来るのか理解できなかった。酒は酔っ払うためのツールに過ぎないと思っていた。それが、大学3年生になった時、スーツを着て飛び込み営業をするアルバイトを始めて、価値観が一変した。

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source : 週刊文春 2024年12月19日号