寅さんがマドンナと出会えたのは、稼業がテキヤだったがゆえ。テキヤ経験のある研究者、廣末登氏がその稼業の虚実を語る。
寅さんは、テキヤで一本の稼業人(親分を持たない旅人)である。全国を旅し、「遅ればせの仁義、失礼さんでござんす。私、生まれも育ちも関東、葛飾柴又です。渡世上故あって、親、一家持ちません。姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」などと、土地の同業者にアイツキ(つきあいの転倒語)し、祭りの一角にコロビ(地面にゴザなどを敷き、商品を並べて売る)の商売を許されている。アイツキと返答ができてはじめて一人前とみなされる。粗相があれば、ゴロ(喧嘩)になりかねない、緊張の場面でもあった。

しばしば混同されるが、テキヤとヤクザは稼業が違う。暴力団は博徒で縄張り争いをするが、テキヤは商売人。庭場を巡り抗争などすれば商売ができなくなる。
初月99円 または 初年度9,999円
でこの続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
キャンペーン終了まで
13日5時45分50秒
-
月額プラン
1カ月更新
99円/初月
5月7日㊌ 10:00までにお申し込みの方限定 通常価格95%OFF
2カ月目から通常価格2,200円
期間限定
-
年額プラン
1年更新
およそ833円/月
5月7日㊌ 10:00までにお申し込みの方限定 通常価格の半額以下
期間限定
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
有料会員になると…
スクープを毎日配信!
- スクープ記事をいち早く読める
- 電子版オリジナル記事が読める
- 解説番組が視聴できる
- 会員限定ニュースレターが読める
有料会員向けおすすめ記事
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

source : 週刊文春 2025年1月2日・9日号
他の記事を読む
- 『男はつらいよ』特集|笹山敬輔 時代に寄り添ったマドンナと寅さん
- 『男はつらいよ』特集|廣末 登 いまこそテキヤ寅さんが必要だ
- 『男はつらいよ』特集|倍賞千恵子 トランクに「夢」を詰め込んで――お兄ちゃん、今度の旅は長いわね
読み込みに失敗しました