今季のイチ推しは、バカリズム脚本、市川実日子が主演の『ホットスポット』、これで決まりかな。
富士山麓の小さな町に、宇宙人がひっそり暮している。この設定がいい。それも樹海とか風穴でなく、町民に混じってだから。
市川実日子が演じるシングルマザーの清美は地元のビジネスホテルに勤務、てきぱきフロント業務をこなす。同僚役が坂井真紀と夏帆だからテンポ良し。男の同僚も角田晃広ですよ。
冴えない風貌の高橋さん(角田晃広)が実は宇宙人だった! ネットで大きく報じられてるから私も書いちゃいますね。
自転車通勤の清美が夜道でトラックにハネられたがカスリ傷もない。衝撃はあったのに。呆然としてると、きまり悪そうに高橋が現れ「あの……これ、誰にも言わないでね」。衝突寸前の自転車ごと清美を持ち上げて助けたのだ。
翌日、礼を言うと、高橋はまたも他言無用と念を押す。なぜですか。「あの……俺、宇宙人なのね」
恐怖のエイリアン。逆に凜々しい異星人。ともに陳腐だ。格好悪い平凡な男が町でひっそり暮す。このほうがリアルで新しい。
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source : 週刊文春 2025年1月30日号