別海に居を移した木嶋一家は新たな生活を始める。佳苗の身には大きな変化があらわれ、両親は周囲の人とのすれ違いが増えていく。そして家庭内では破滅の予兆が――。

 

■連載「ウェンカムイ 死刑囚・木嶋佳苗の生痕」

#1  断崖──父と娘

前回 暗転

 木嶋佳苗の事件が起こった時、マスコミ関係者は大挙して、北海道の別海町へ押し寄せ、木嶋家を撮影し、自宅として報じた。

 レンガ造のように見える外壁が薄い紅色に塗られた小綺麗な家。バーベキューもできそうな広々としたベランダデッキまで備えている。

「何不自由なく裕福に育った」と多くの取材者が報じたのは、この家から受けた印象もあってのことだろう。

 だが、同級生たちは当時、このような報道を複雑な思いで見ていた。

「あれは佳苗の家なんかじゃないのに」――

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source : 週刊文春 2025年2月20日号