この間、何十年かぶりに梅田の街に行って、急に思い出したことがありました。昔、その辺を歩いているときに、阪急デパートの中からすごいスレンダーな女の人が出てきたことがあったんです。「綺麗な人やなあ」と見てたら、その人がバッグから何かを落としました。

 ちょっといい「ちくわ」でした。

 リレーのバトンのようにちくわを持って追いかけて、「これ、落としましたよ」と声をかけました。振り向いた彼女は、キッと私を睨みつけて「違います!」と足早に去っていきました。もし落としたのがキャビアだったら、「あら、ありがとうございます」と嫣然と微笑んで受け取ってくれたことでしょう。

 結局、私が家に持ち帰って美味しくいただきました。だって困っているちくわを放っておけませんもの。

「ちくわ(竹馬)の友」ですから。

Q

 毎週、オチが素晴らしいなと思いながら、楽しく拝読しています。

 

 実は昨年末に体調を崩して、1週間ほど寝込んでしまいました。ただでさえ忙しい年末に、仕事の締切や友人との会食、美容院の予約など、ぜんぶ流れてしまい大変な目に遭いました。それ以来、急に体調が悪くなったらどうしようと心配する癖がつき、先々の予定を立てるのが怖くなってしまいました。

 

 私よりもっと忙しい上沼さんは、日頃から実践している健康法などはあるのでしょうか。参考にさせていただき、今年は何とか元気で過ごしたいと思っています。

(52歳・女性 愛知県)

 数年前のある日、珍しく自宅の固定電話に電話がかかってきました。

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source : 週刊文春 2025年3月6日号