隣町のアパートの合鍵を持たされ、妊娠騒動を起こした小学生が中学校にあがるとき、いよいよ逸脱は過激になっていく。そして木嶋はひとり浮いた存在になっていった。
木嶋佳苗は3件の殺人罪などにより死刑判決を受けた。
連続殺人犯であることに間違いはない。だが、より多くの詐欺罪(未遂を含む)で起訴されたように彼女の犯罪の本質は詐欺と窃盗にある。嘘がバレそうになり追い詰められると、練炭を焚いて遁走するのだ。
つまり殺人という重大な犯罪を遡っていくと、嘘を平気でつくという彼女の性質に辿りつく。
法廷でも彼女は平然と嘘をつき続けた。結果、裁判長を呆れさせ、検事をいきり立たせ、傍聴人を失笑させた。
時に皇室の親戚だと偽り、父は弁護士、自分はヤマハのピアノ講師だと嘘を重ねて金を騙し取った。この病的ともいえる虚言癖は、いったいいつ芽生えたものなのだろう。
◇
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

source : 週刊文春 2025年3月6日号