2月23日午前2時40分、生まれ故郷の福井駅前ホテルの一室で、その瞬間をiPad越しに見守った。1着賞金が世界最高額約15億円のサウジカップ。世界中から最強馬が集まるレースだけど、私の愛馬フォーエバーヤングは単勝1番人気のままスタートの時を迎えていた。こんな大勝負の日なのに、なぜ馬主の私がサウジアラビアではなく福井県に居るのか。それは、だいぶ前から地元の人とBリーグの試合を観戦する約束をしていたからである。非常に美味しい蟹店も予約していた。サウジカップの日程のほうが後から決まって、流石に迷ったけど、正直サウジアラビアはお酒が飲めない国であることが自分の現地行きを躊躇させた。
当日は、福井の日本酒黒龍もたくさん飲んで、「地元は落ち着くわぁ」なんて早い時間からいい気分で酔っ払っていた。深夜まで起きていられるか不安だったけど、よく考えたら興奮で寝られる訳がない。世界中のホースマンが注目するレースの発走時刻を待つ間、私はホテルでひとり、ものすごい高揚感を感じていた。
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source : 週刊文春 2025年3月27日号






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