卒業、転勤、退職……春は出会いと別れの季節と言われるが、将棋界にいると3月の別れを強く実感する。主に学生の奨励会員が、年度替わりを前に自分の進路を再考するからだ。
私の一門でも、4月を前に3人の弟子が奨励会を退会した。私は彼らのこと、そして過去の弟子たちのことを考えてしまう。
「今までお世話になりました」「学業に専念します」
こう言って学生の弟子たちは奨励会を去る。奨励会員が棋士になれる確率は2割以下。年齢制限までまだ猶予があっても、当事者は肌感覚で分かるのだ。自分はこの先も「2割」に入ることは決してないのだと。
初回登録は初月300円で
この続きが読めます。
有料会員になると、
全ての記事が読み放題
-
月額プラン
1カ月更新
2,200円/月
初回登録は初月300円
-
年額プラン
22,000円一括払い・1年更新
1,833円/月
-
3年プラン
59,400円一括払い、3年更新
1,650円/月
既に有料会員の方はログインして続きを読む
※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。
source : 週刊文春 2025年4月3日号






お気に入り記事