3月23日日曜の夜、私は大阪の北新地にいた。島田紳助さんの誕生日を祝う会に出席するためだ。以前から「すごい誕生日会」と話には聞いていたんだけど、コロナで中断していたのもあって、参加させてもらうのは私は初だった。

 結論から言うと、度肝を抜かれた。2部構成で18時から26時までの約8時間。圧巻のショーに魅了され、紳助さんのトークに最初から最後まで爆笑し、時が経つのを忘れ、これぞエンターテインメントだと唸らされた。本当に誇張でもお世辞でもないんだけど、翌日69歳になるはずの紳助さんはまるで昨日引退したばかりかと思うほど、顔はツヤツヤ、喋りと動きはキレキレだった。当日はもちろん写真・動画撮影、SNSへの投稿は禁止。

 ところが、会の最中、紳助さんが私の席へ来て、「藤田くんは文春に書いてもええよ」と言ってくれた。ありがたいことに、紳助さんはこの連載の愛読者なのだ。その時は思わず戸惑って、「え?(笑)」とだけ返したけど、翌朝帰りの新幹線の中で、昨日の楽しかった会を振り返りながら、ふと思った。折角だから、文春記者でも潜入不可能であろう当日の様子を、ルポ風に書いてみようかなと。

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source : 週刊文春 2025年4月10日号