県民への背信と疑われても仕方がないはずだ。台風15号が直撃した当日は登庁せず。翌日、災害対策本部を立ち上げた県知事だが、15時前に公用車に乗り込んで向かった先は――。緊急時に「私的視察していた」と強弁する知事。千葉県の「非常事態」は現在も続いている。

 重軽傷者82名、約300棟の建物が全壊、半壊は3000棟以上。房総半島はライフラインを断たれ、陸の孤島と化した――。

 令和元年の秋、狙い撃ちされたかのように台風に次々と襲われたのが千葉県だった。最初に猛威をふるった台風15号は9月9日未明、千葉県を直撃。過去最強クラスのこの台風は、深刻な被害をもたらした。

 翌10日になっても、被害は一向に収まらない。送電線トラブルにより続く停電は、県内で50万戸以上に及んだ。断水世帯は約8万4000戸に上り、各地の給水所では住民たちが行列を作っていた。冷房の止まった室内では熱中症と見られる症状により、2人の死亡が確認された。

 しかし、この日の午後3時前、復旧の最前線に立つべき森田健作・千葉県知事(69)は人知れず県庁から姿を消した。

 この日、県庁では午前9時過ぎに災害対策本部が設置された。その約6時間後となる午後3時前、公用車に乗り込んだ森田氏が向かった先は、甚大な被害を受けた鋸南町や館山市のある県南部ではなく県北東部だった。15分ほどのドライブでたどり着いたのは――。

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source : 週刊文春 2019年11月14日号