このところ、能力至上主義がはびこっている。このところと言っても、3000年ほど前の古代ギリシアのころ以降だ。そのころにはすでに能力至上主義がはびこり、哲学者も、与えられた能力を発揮する事が幸福だと述べたほどだ。
わたしにはこれといって人が騒ぐほどの能力はない。あえて言えば、他人が見ても分からないが、右の耳が1ミリほど動かせる。人に見せると頭の皮が動いているだけだと言われてバカにされるだけだ。かりに耳と鼻の穴を大きく、しかも左右独立に開閉できても、人々に感銘を与えることはできないだろう。
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source : 週刊文春 2025年4月17日号