小誌が手にした一枚の領収書。そこには「旅費」として約90万円が、「自由民主党山口県第四選挙区支部」から旅行会社に支払われていることが記されていた。日付は「桜を見る会」とぴたりと一致。自身が代表を務める支部の支出について、首相はどう説明するのか。

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 狭いカウンターで肩を寄せ合った男たちは、1986年のドンペリを開けるとシャンパングラスを掲げ、高らかに乾杯した。

 11月22日、夜7時過ぎ。渋谷駅の線路脇の一角にある焼き鳥店の2階に、安倍晋三首相(65)の姿があった。1、2階を貸し切りにした店内でともに杯を傾けたのは、荒井広幸内閣参与や、安倍首相の父・晋太郎氏の番記者を務めた日経新聞OBの秋山光人氏。2日前に首相在職日数が歴代最長を記録したのを祝して集まった旧知のメンバーだった。

「素晴らしいワインだね」

 こう安倍首相が絶賛したのは、“シャトー・ムートン・ロートシルト”の1971年。秋山氏が持参したもので10万円以上の値が付く高級ワインだ。安倍首相は杯を重ね、焼き鳥にも次々と手をのばし、途中から合流した森喜朗元首相(82)が思わず「健啖ですね」と声をかけるほど。約2時間の宴席後、安倍首相は代金を支払うことなく店を後にした。

 ご機嫌な夜を過ごした安倍首相だが、自身に関する「桜を見る会」疑惑は燻り続けている。その最たる例が「前夜祭5000円問題」だ。

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source : 週刊文春 2019年12月5日号