弥一郎が乗り込んだ東京丸の乗船リストに意外な人物の名が――

 

【前回まで】〈永山西郷〉と呼ばれる弥一郎の肖像写真の撮影者が、日本写真史にその名を刻む内田九一だったことがわかった。さらに青森県で発掘された〈四人写真〉で一緒に写っている人物が元薩摩藩士の堀基であることも判明し、弥一郎の開拓使時代が見えてきた――本連載は西南戦争で散った永山弥一郎の生涯を掘り起こす「同時進行歴史ノンフィクション」である。

 永山弥一郎と(ほり)(もとい)

 ともに元薩摩藩士で北海道開拓使に籍をおいていた2人が、東京・浅草で写真師、(うち)()()(いち)によって〈四人写真〉を撮影されたのはいつだったのか?

 前回から続くこの謎を解く鍵は、国立公文書館アジア歴史資料センター(以下、国立公文書館)にあった。同センターのデータベースを検索したところ、2人の名前が並んで記された史料が見つかったのだ。

 明治4年(1871)12月10日に兵部省の海軍秘史局が作成した〈篠原陸軍大佐外数名便乗の件 東京丸達〉がそれである。

 東京丸とは明治4年7月に兵部省が海外から購入した木造汽船で、おもに運輸船として使われていた。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

  • 3年プラン

    59,400円一括払い、3年更新

    1,650円/月

有料会員になると…

スクープを毎日配信!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

週刊文春 電子版 PREMIUMMEMBERSHIP 第1期募集中 詳しくはこちら
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2025年6月12日号