6月6日、将棋界では、一年に一度の定例棋士総会があった。

 羽生善治会長は、理事選不出馬をすでに表明されていた。2年、1期での早すぎる退任だが、この期間のかじ取りを羽生会長は見事にこなされた。資金を集め、東西の新会館も完成した。充実の会長交代であったかと思う。

 会長職の大変さは側で見ていても容易に想像がついた。スポンサー、将棋ファン、同業の棋士や職員……全方向に気を配らなくてはならず、もちろん現役棋士としての対局もある。

 今後は対局に専念されるのだろう。タイトル通算99期、藤井聡太七冠との再戦の番勝負は、アマプロ問わず将棋界全体の願いである。

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source : 週刊文春 2025年6月26日号