毎年のように俳優やラッパーなどのアーティストがドラッグをめぐって逮捕されていく芸能界。一体、何が起きているのか。長年、薬物取材を手がけてきた「週刊文春」エース記者が紐解く芸能界の薬物汚染の実態。case.6はラッパーのF。(初回は#1へ)
コロコロの中にマリファナを…
「週刊文春」記者が入手した2枚の写真には、男の爛れた日常がリアルに切り取られていた。事務所内にあるデスクの中央には、ノートパソコンが1台。その奥には、赤い幾何学模様が施された粘着カーペットクリーナー(コロコロ)が置かれている。手前には、煙草の吸殻が山盛りになった黒色の灰皿。その隣にある青色の小さな灰皿の上には、細い葉巻の吸殻が乱雑に置かれていた。

「彼の生活は大麻と一体化していました。朝起きたら一服し、食事後にも一服。仕事に行くにも当然のように吸ってから臨みます。事務所内の自分の部屋にはコロコロがあって、その中にWEED(マリファナ)を入れている。青い灰皿の上にあるのが、その吸殻です」
ある音楽関係者が大麻の常習者と告発するのが、ラッパーのF氏である。1990年代にデビュー後、日本のヒップホップを牽引し続けてきた彼には、常にドラッグ使用の疑惑が囁かれ続けてきた。大麻の館――関係者がそう告発するのが、港区内にある彼の事務所だ。大麻草由来の成分を含むCBDオイルは、部屋の左側にある黒い棚に置かれているという。

逮捕されたら大麻解禁促進運動でもしようかな
ある日、そんなF氏に恐怖を抱かせる事態が起こる。
2018年1月15日、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部(通称マトリ)が大麻取締法違反(所持)の疑いで、ヒップホップミュージシャンのZを現行犯逮捕したのだ。マトリは長期にわたる内偵の末、自宅マンションの一室で乾燥大麻約600グラムを所持していたことを突き止めた。同じ音楽業界に身を置き、関係も近かったF氏は周囲にこう話している。
「このときは、自分も逮捕されるんじゃないかって全部身綺麗にした。でも、万が一でも逮捕されたら大麻解禁促進運動でもしようかな」
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source : 週刊文春