《大切なことは、森友学園を守ることではなく、財務局が総理に関係ある者に便益を与えたという風評をたてさせる材料を与えないことにあります》

 

 森友学園は小学校の用地として国有地を買い受けた際、財務省近畿財務局から8億円以上の値引きを受けた。これが財務局による“便益”だとすれば、“総理に関係ある者”は、小学校の名誉校長であり、現職総理の妻だった安倍昭恵氏しかありえない(以下、肩書はすべて当時)。

 冒頭の一文は、森友事件を苦に命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんが財務省から開示された関連文書の中から見つかった。売り払いの担当部局、近畿財務局管財部の小西眞次長が俊夫さんらに出したメールだ。

開示直後、文書に目を通す赤木雅子さん

 俊夫さんは森友事件に関する9000枚近い文書を手元に取りまとめていた。それが今回開示され、職員同士のメールも大量に含まれている。中でも際立つのが、小西次長が出した112通のメールだけを俊夫さんが選別し、1つの冊子にまとめていることだ。差出人の欄に「小西眞(近財)」という名前がずらりと並ぶ一覧表を見て、雅子さんは驚いた。

小西次長からの112通に上るメールのリスト

「これ、何ですか?」

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source : 週刊文春 2025年7月3日号